誕生25周年 それでも色あせない『攻殻機動隊』の魅力
長年に渡ってファンに根強く支持され続けている本シリーズ。その魅力について、冲方氏は、「結局、今、最初の作品を見ても古くない。例えば、『絵が古い』ってところは、あるかもしれないけど、作品が描いている未来や、コンセプトなどは古くなっていない。未だに現実化されてないテクノロジーが表現されていても、それが突拍子もないものではなくて、『この先、ありえるね』、って思えるものになっていた。だから、見る側も期待しながら見てくれていた」と、分析する。
熱狂的なファンを持つ作品。19年前からのファンは、現在は“評論家”のような存在と言ってもいいほど、当時から変わらぬ愛情を注いでいる。それだけに、制作サイドの重圧は、それなりのものがある。冲方氏は「作品に携わることになって、やっぱり緊張しました。未だにガチガチです。僕自身、『攻殻機動隊』で勉強してきたし、『攻殻機動隊』がテキストだったし、就職試験みたいなものだったので」と、その歴史ある作品を受け継ぐことに緊張感を持って挑んでいる。一方の“ベテラン”黄瀬氏は「周りの方は重圧を感じていたけど、僕は感じない。たぶん、最初の作品から関わっているからだろうね」と貫禄をみせる。 日本だけでなく、欧州を中心に海外でも高く評価されているが「世界で支持される理由は、正直分からない。ピンと来ないというか…。フランスのテレビ局に取材されたときにも、『支持される理由』を聞かれたけど、制作者側としては、意識はしていないので」と黄瀬氏は戸惑った様子。それでも「作品のテーマは『普遍』だからかもしれない。個が確立しているのは、ヨーロッパの文化だから、初期の作品のテーマも、欧州で響くだろうと思っていた」と冲方氏。 「『攻殻機動隊』はこれからも時代の先端を走っていてほしい」と冲方氏。冬の時代を終わらせ、時代をリードし続けている同シリーズは、まだまだファンを魅了し続けていきそうだ。