ゲーミングPCを買ったほうがいい?ついに登場したPS5 Pro「価格12万円」の妥当性
もともと、家庭用ゲーム機は高性能になればなるほどPCに近づいていくと言われており、それがいよいよ間近に迫っているのだろう。 日本においても、ゲーミングPC自体がかなり注目されている。そもそもゲーミングPCという言葉自体が一般的になっているし、家電量販店で売り場があるのも自然なことだろう。 PCゲームの販売プラットフォーム「Steam」では、ここ数年で日本のユーザーがかなり増えているという報告がある。Steamはゲームがかなり安くなる大規模セールを定期的に実施しており、その話題が日本語圏でしばしばバズっている。つまり、かなり注目度が高いのである。
eスポーツもゲーミングPCで遊ぶケースが多く、YouTubeなどの動画配信サイトにおいてもゲーミングPCで遊ぶ人が多い。なぜなら、ゲーム専用機ではないゲーミングPCにはさまざまなメリットがあるからだ。 ゲーミングPCは拡張性があり、さまざまなMOD(改造データ)を入れることができる。PC向けに先にリリースされるゲームも多く、PlayStationのソフトも(年単位で遅れてではあるが)Steamに出ることが増えてきた。もちろん、ゲーム以外のさまざまな用途にも使える。
ハイエンドな家庭用ゲーム機の価格が上がったことでゲーミングPCに近くなったうえ、ゲーミングPCの魅力が知られてきたことにより比較されるのだろう。 ■PS5の戦略に求められること 家庭用ゲーム機を手掛けるほかの会社は、違う路線を進む。任天堂はスペックで勝負しない「Nintendo Switch」で差別化しているし、次世代機も値上がりはするだろうが、価格を抑える努力をすると考えられる。 ハイエンドなゲーム機という意味ではマイクロソフトの「Xbox」が挙げられるが、マイクロソフトはサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」に力を入れている。ゲーミングPCと競争するつもりはなく、むしろ融和を目指しているといえる。
PlayStationは、これまであまり差別化が見えてこなかった。つまりゲーミングPCとの競合部分があったといえるわけだが、それがPS5 Proの価格によって顕在化したのではないか。 いずれにせよ、PS5 Proの約12万円はかなり衝撃的な価格である。PlayStationブランドをより強固なものにするなど、それだけの価値に見合う体験をもたらす策が求められるだろう。
渡邉 卓也 :ゲームライター