有田工・上原、笑顔貫いた主将「夏、絶対ここで」 選抜高校野球
第94回選抜高校野球大会は第4日の22日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、初出場の有田工(佐賀)は主将の上原風雅捕手(3年)が3安打2打点と奮闘したが、国学院久我山(東京)に2―4で敗れた。 【熱戦を写真特集で】国学院久我山vs有田工 笑顔、そして大きな声。初めての甲子園で劣勢に立たされても、常にそれを貫いた。ただ、勝利をつかむことはできなかった。「楽しかった。半面、悔しい気持ちがある」。その言葉が、複雑な心境のすべてを物語っていた。 個人としては、存分に意地を見せた。2点を追う四回、2死二塁で打席に立つと、「直球を強く打つことだけを考えていた」。外角高めの直球に食らいつき、詰まりながらも中前適時打。直後の守備では、2死一塁の場面で相手の盗塁を見抜き、ピッチドアウトから二塁に矢のような球を送って刺した。八回にも適時打を放ち、「しっかりした野球はできた」と言う。 ただ、もう少しできたのではないかという思いがある。特に挙げたのは、一回2死一、三塁から、相手の5番・大野に甘く入った変化球を左前に運ばれて先制を許した場面。「あそこをゼロに抑えられれば自分たちの流れになったと思う」 悪い流れを断ち切れず、三回、六回の失点はいずれも失策がからんだ。紅白戦で捕手出身の梅崎監督が自らマスクをかぶり、投手や野手へ声をかける様子を間近で見て学んできただけに、チームを落ち着かせることができなかったことが悔しくてならなかった。 それでも、昨秋の東京大会覇者に食い下がれたことには手応えを感じた。「自分たちの野球をやれば対等に戦える。夏、絶対にここでやりたい」。チームを引っ張って必ず帰ってくる。決意を口にして、甲子園を去った。【平本泰章】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。