“牛めし4杯分”…松屋「1,790円の定食」を実食。注文の時点で「衝撃の出来事」が
目玉焼きをめくると、2センチ弱ほどの厚切りチャーシューが
さあ、念願のチャーシューエッグ定食をいただきます。そもそもこのメニューは、松屋の紹介文にはないものの、愛媛県今治市のソウルフード「焼豚玉子飯」にそっくりの構成。今治の有名店における価格は800円程度になっています。目玉焼きをめくると、暑さ2センチ弱のチャーシューが3枚並んでいます。 食べてみると、確かにホロホロと柔らかく、チャーシューというよりは薄めの豚角煮を食べているような感じ。豚バラの脂身も程よく楽しむことができ、濃いめの甘辛味と白ごはんの相性は抜群で、肉をがっつり食べたい欲求は満たしてくれそうです。シンプルにおいしかったこともありますが、女性の私でもペロリと完食してしまいました。 ここで感じたのは、食べ応えはあるものの、“ザ・男飯”という看板に応えるようなロマンを感じるボリュームなのかは意見が分かれそうであること。そして肝心の満足度を冷静に考えてみることにしました。
1790円で食べられる料理は? 牛丼チェーンの高コスパラインはいくらなのか?
今回の「柔厚炙りチャーシューエッグ定食3枚盛」を食べてみて、味については個人差があるものの、万人受けするおいしさであることは太鼓判を押せるレベルでした。 しかしながら、どうしてもコスパの点が頭によぎります。まずは同じ松屋で考えてみましょう。例えば「牛めし」は430円。これなら4回注文しても70円おつりがくる計算に。お財布事情を考えつつ、チャーシューエッグ定食1回とどちらが満足するでしょうか? 次に、松屋以外で比較をしてみました。デニーズの「BEEFハンバーグステーキ[約200g]~選べるソース」はライス付きで1,551円。しゃぶ葉の「平日ランチ 豚バラ しゃぶしゃぶ食べ放題コース」は1,539円。スシローの「天然本鮪7貫盛り」は1,150円です。こう並べてみると、松屋の価格がいかに強気であるかがわかるでしょう。 ===== 最後に、景気の状況を加味して牛丼チェーンの高コスパラインを考えてみたところ、人気メニューや新商品を並べてみると見えてきました。すき家の「タンドリーチキンカレー 大盛」は930円、「トリプルにんにく牛丼 大盛」は940円。吉野家の新メニュー「月見牛とじ丼」は大盛875円、「W定食(牛皿・から揚げ定食)」は987円。 いずれにしても1,000円を超えることはなさそうで、誰が食べるにせよ男飯と言われる料理に対して、コスパを軽視してはならないのではないかと、冷静に感じています。さあ、みなさんは、どう評価しますか!? <TEXT/スギアカツキ> 【スギアカツキ】 食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。世界中の健やかな食文化を追求。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。Twitterは@sugiakatsuki12。
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