「アートは友達」 作家・原田マハさんが「ミュゼ活」テーマに講演
「北九州市立美術館開館50周年記念 第64回毎日・北九州フォーラム」(同館、北九州地域懇話会、毎日新聞社共催)が8日、北九州市小倉北区のリーガロイヤルホテル小倉であり、作家の原田マハさんが「ミュゼ活の勧め――美術館に親しんで豊かな人生を」と題して講演した。 原田さんは、実在の画家や名画を登場させた「アート小説」を多く手がけ、今年10月には、版画家の棟方志功を主人公にした「板上に咲く」で、第52回泉鏡花文学賞に選ばれた。 原田さんは講演で「アートは私にとって友達。美術館は友達の家で、学芸員の方は友達のファミリー。それらへのリスペクトを表現し、読者の皆さんと共有したいと始めたのが『ミュゼ活』(ミュージアム活動)」と話し、美術館がもたらす幸福感について語った。 また、世界の美術館事情や、「アートと触れ合う機会の多い人は、そうでない人に比べて寿命が長い傾向にある」というロンドン大学研究班の分析を紹介。日本が美術館大国であることにも触れ、「『丘の上の双眼鏡』と呼ばれる北九州市立美術館は、磯崎新さん(故人)の名建築と名品ぞろいのコレクションがある。日本人としての誇り」と語った。【平野美紀】