ピーク時の5割安に カニ大幅値下げの背景にアメリカの経済制裁【WBS】
2022年3月、アメリカがロシア産の水産物の輸入禁止を決定。このため日本に輸入されるロシア産のタラバガニが増え、10月には去年の1.8倍に。価格も1キロ当たりおよそ4割安くなっているのです。ロシア産の値下がりは他の国のカニにも波及。10月までのカナダ産の冷凍ズワイガニは去年よりおよそ4割、アメリカ産もおよそ5割安くなっています。 福井県の企業が運営する海産物のネット通販「越前かに職人 甲羅組」は出荷の最盛期を迎え、慌ただしくしていました。 「年末年始ぐらい贅沢しようかという感じで、売れるのではないか」(「越前かに職人 甲羅組」の田辺晃司店長) こちらでは、地場の名産である越前ガニや松葉ガニのほかに、カナダやロシアからカニを輸入して加工。通販の主力商品でしゃぶしゃぶ用に殻をむいたものが特に人気です。商品によっては去年より1000円ほど安いといいます。 「客単価が10~20%ぐらい下がっているが購入客数自体は30%ぐらい増えている。全体の売り上げとしては増えている」(田辺店長) 買いやすくなったカニですが、今後もこの価格は続くのでしょうか? 「ロシアは中国に売っていこうと思っている。中国の方が経済的に豊かなので、ゆくゆくは中国が買って日本にいいカニは来なくなるのでは。今年が狙い目。今年良いカニを食べて『昔は大きいカニがあったね』という時代になるのでは」(「築地蟹商」の中村格彰会長) ※ワールドビジネスサテライト