これからも名古屋のシンボルで 名古屋・ナナちゃんに感謝状
名古屋駅のシンボルとして親しまれる「ナナちゃん人形」が28日、先駆的に女性の活躍推進に貢献しているとして愛知労働局より感謝状が贈呈された。感謝状を贈った愛知労働局局長の藤澤氏は「43年間同じ場所で、暑い日、雨の日、雪の日も仕事をしている姿は素晴らしい」と称賛した。しかしナナちゃん人形になぜ、このような感謝状が贈られたのか? その歴史を探ってみた。
“裸の人形を置くなんて”と疑問視する声もあった
ナナちゃんが名古屋駅に登場したのは、1973(昭和48)年4月。前年にオープンした名鉄百貨店セブン館の1周年を記念して誕生した。名前は一般公募され、セブンをもじった「ナナちゃん」に決定。ヤング館は2011(平成23)年にて閉館するも、ナナちゃんは名鉄百貨店の広報部員という役割を得ながら同じ場所に立ち続けている。 今回の贈呈式で名鉄百貨店代表取締役の佐藤氏は「ナナちゃんは私より社歴が1年若く、設置した時のことはよく覚えている。当時は“裸の人形を置くなんて”と疑問視する声もあった」と当時を振り返る。「現在は年間30種程度の衣装替えをしており、ファッション面でも注目されている」と続けた。 近年、期間毎で変わるナナちゃんの奇抜な“コスプレ”は、度々SNSなどを通して全国的な話題に。2014年のクリアランスセールのPRでアゴが地面を突き抜けた際は、「ナナちゃんのコスプレ激しすぎる」「大丈夫なのかな…」などと、ネット上で驚きのコメントが多数寄せられていた。
ナナちゃんは名古屋のシンボルであり続けたい
今回、ナナちゃんに感謝状を贈呈されたのは、4月1日より全面施行される「女性活躍推進法」のPRを狙ってのこと。前述の藤澤氏は「まだ男女雇用機会均等法もなかった時代から、どんな困難な職務をも誠実に行ってこられた」とナナちゃんの仕事ぶりを評価。 さらに「その功績は顕著で、(感謝状の贈呈を機会に)女性活躍推進法のお手本となっていただけたら」と期待を込める。一方で感謝状の贈呈を受け佐藤氏は「これからも、ナナちゃんは名古屋のシンボルであり続けたい」と、1年後輩となる女性社員のさらなる活躍にエールを送った。 女性活躍推進法とは、女性が職業生活において、その希望に応じて十分に能力を発揮し、活躍できる環境を整備するための法律。今年4月より全面施行となり、労働者301人以上の大企業は、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定などが新たに義務づけられる。