来夏の富士山、山梨県側も通行料4千円・午後2時閉鎖 静岡と統一へ
富士山を山梨県側から登る吉田ルートについて、県は来夏から通行料を現行の2千円から4千円に引き上げるとともに、5合目以上の通行規制開始を今夏より2時間早めて、午後2時~翌午前3時とする方針を固めた。関係者への取材でわかった。静岡県側の富士宮、御殿場、須走の3ルートでも、同様の取り組みを同県が来夏から始める方針で、両県の規制内容がほぼ同じになる。 【写真】「統一ありき」ではなかった富士登山規制 知事同士の親交もプラスに 関係者によると、山梨県は、観光施設が集まる5合目での登山以外の観光需要に配慮し、新たにガイド付き自然散策コースを5合目のゲート内に設けて、一定区間は散策できるようにする。 吉田ルートは富士登山者の約6割が利用する。山梨県は今夏、夜通しで一気に頂上を目指す「弾丸登山」を防ごうと、全国初となる登山規制を導入。ゲートを設置して午後4時~翌午前3時は閉鎖し、山小屋に予約がないと通れなくした。1日の登山者を4千人までに制限、さらに従来の任意の保全協力金1千円とは別に通行料2千円の徴収も始めた。 その結果、弾丸登山が疑われる人は今夏、前年の約1万4千人から95%減の708人となった。ただ、閉鎖間際にゲートを通る人も少なくなく、閉鎖時間を早めて対策を強化することにした。通行料は現在、規制に伴う費用や山中での登山者への巡回指導などの安全対策に使われている。不足分は県費で補っており、受益者負担をより適正化したい狙いもある。 山梨県は20日に地元関係者らとの会議で、方針を正式決定する。決めた内容は来年2月の県議会に議案として提出する。静岡県は、現行の任意の協力金を廃止して通行料にあたる「入山料」を設けて4千円とするとともに、新設する通行規制は午後2時~翌午前3時とする方針を既に示している。(豊平森)
朝日新聞社