山頂からアサギマダラ放蝶 本山小と焼野保が竜王山で「山の学習」【山陽小野田】
本山小(長尾誠治校長、109人)の全校児童と焼野保育園(藤井篤園長)の年長児23人が11日、恒例の「山の学習」で竜王山(標高136㍍)を訪れ、アサギマダラを空に放ったり、草花で着飾ったファッションショーを開いたりして豊かな自然を満喫した。 同校では毎年、春にきららビーチ焼野で「海の学習」、秋に竜王山で「山の学習」を行い、五感を通して古里の自然に親しんでいる。この日は児童、園児が縦割りの12班を編成して山頂を目指した。 山頂集会では、自然観察指導員の嶋田紀和さん(大須恵)が、今の時期、同山に飛来する〝旅するチョウ〟アサギマダラの生態を紹介。「竜王山には毎年、アサギマダラが南下で飛来するが、最近は数が減っている。最も過ごしやすい気温22~23度の場所を求めて移動しているが、地球温暖化で低山の竜王山は気温がなかなか下がらない」と深刻な環境問題の一端に触れた。 6年前に山の学習で放ったアサギマダラが約180㌔離れた長崎市で見つかったエピソードを紹介すると、歓声が上がった。 この後、嶋田さんらが捕まえたアサギマダラの雄4匹の羽に、6年生の代表が「本山小 竜王山 10月11日」とマジックでマーキング。「行ってらっしゃい」の掛け声とともに放った。アサギマダラは児童たちの頭上で旋回した後、大空高く舞い上がった。 堀柊翔(しゅうと)君(6年)は「後ろ羽の部分に黒い点があるのが雄と教わった。みんなで餌になる草を植えたので今からいっぱい飛来してほしい」と話した。 登山の途中で採取したネコジャラシ、ススキなどの山野草を、衣服に見立てた黒いビニール袋に貼り付けてデコレーション。順番にステージに上がってファッションショーを繰り広げた。