『トップガン』“パイロットたち”の38年後 トム・クルーズの恋人演じた女優の壮絶人生とは
世界を熱狂させたスカイアクション映画『トップガン』と、続編『トップガン マーヴェリック』(以下『マーヴェリック』)が、本日と来週に金曜ロードショー(日本テレビ系)にてお目見えする。1986年に公開された『トップガン』は、アメリカ海軍全面協力のもと、海軍エリートパイロット養成機関「トップガン」を舞台に、若きパイロットたちの栄光と挫折、そして成長を描いた作品。それから30年以上の時を経て公開された続編は、ファンだけでなく、名匠スピルバーグ監督までも熱狂させたが、トムの恋人役のケリー・マクギリスはじめ、残念ながらカムバックしなかったキャストも。そこでオリジナルキャストたちの今を紹介しよう。 【写真】パイロットたちの38年後は? 『トップガン』キャストの今を写真でチェック ■ピート・“マーヴェリック”・ミッチェル/トム・クルーズ 直観と確かな実力で、ルール無視の無謀な操縦をする天才パイロット、マーヴェリック。トムが本作で見せた瑞々しさはまさに必見! 『アウトサイダー』と『卒業白書』(共に1983)で頭角を現していた彼は本作で世界的スターに上り詰め、ダスティン・ホフマンと共演した『レインマン』(1988)、スタンリー・キューブリック監督最後の作品『アイズ ワイド シャット』(1999)など注目作に出演し、マイケル・マン監督の『コラテラル』(2004)では悪役を演じるなど、ますます活躍した。 『7月4日に生まれて』(1989)と『ザ・エージェント』(1996)でアカデミー主演男優賞に、『マグノリア』(1999)で同助演男優賞にノミネートされ、『マーヴェリック』ではプロデューサーとして候補入りを果たした。また今年開催されたパリ五輪の閉会式では、スカイダイビングで軍用機から飛び降りるスタントを行い、アクションスターとしての存在感を世界中に見せつけた。 この後は、『ミッション:インポッシブル8』が2025年5月に全米公開予定。ほかにも、オスカー監督アレハンドロ・G・イニャリトゥの新作や、NASA&SpaceXと協力し宇宙で撮影するダグ・リーマン監督の新作が控えるほか、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』と『デイズ・オブ・サンダー』の続編、さらに『トップガン』第3弾が動き出したとの情報も! ■シャーロット・“チャーリー”・ブラックウッド/ケリー・マクギリス 士官クラブでマーヴェリックに声を掛けられ、トップガンの教官である立場を気にしつつも、やがて彼の恋人となるチャーリー。演じたケリー・マクギリスは、ハリソン・フォード主演の『刑事ジョン・ブック 目撃者』(1985)でアーミッシュの女性を演じたのがプロデューサーの目に留まり、本作に抜てき。ブレイクを果たした。 その陰で、過去に受けた性暴力が彼女の心を蝕み、アルコールやドラッグ問題を抱えるなど、辛い状況にあったようだ。レイプ裁判を描いた次の出演作『告発の行方』(1988)では、当初、ジョディ・フォスターが演じた被害者の役をオファーされたが、これを断り、代わりに検察官を演じている。その後、2度目の離婚を機に断酒を決意し、ハリウッドを離れて娘たちの子育てに専念。徐々に仕事に復帰するとともに、カウンセラーとして依存症のリハビリ施設で支援を行っていた。 2008年には、センセーショナルを巻き起こしたドラマ『Lの世界』に出演。2010年にレズビアンであることをカミングアウトした。しかし、やっと立ち直りかけた彼女に不幸がまた起き、2016年にノースカロライナ州の自宅で襲われてしまう。この事件は、彼女に辛い過去を再び思い出させてしまったようだ。当時、フェイスブックでPTSDに苦しむ心情を赤裸々につづっていた。仕事の上では、その後も演技の仕事を続けており、残念ながら『マーヴェリック』にカムバックしなかったものの、近年では、Netflixシリーズ『ダーティ・ジョン -秘密と嘘-』などで姿を見ることができる。