『トップガン』“パイロットたち”の38年後 トム・クルーズの恋人演じた女優の壮絶人生とは
“アイスマン”演じた俳優は声を失っていた
■ニック・“グース”・ブラッドショウ/アンソニー・エドワーズ マーヴェリックの気の良い相棒グースを演じたのは、大ヒットした医療ドラマ『ER緊急救命室』のマーク・グリーン役でもおなじみのアンソニー・エドワーズ。『ER』には、シーズン8まで出演(シーズン15にもカメオ出演)し、エミー賞主演男優賞に4度ノミネート、また製作総指揮を務めた『テンプル・グランディン~自閉症とともに』で同映画部門作品賞を獲得した。最近では、Apple TV+のドラマ『WeCrashed~スタートアップ狂騒曲~』や、Netflixの『令嬢アンナの真実』、『サバイバー:宿命の大統領』に出演。 プライベートでは、2021年に女優のメア・ウィニンガムと再婚した。メイクアップアーティストの元妻との間に子どもが4人おり、長男のベイリーは俳優としてNetflix映画『ブライト』などに出演しているのでファンは要チェック。ちなみに、彼は『マーヴェリック』には未出演だが、グースの妻をキュートに演じ、後にロマコメで引っ張りだこになったメグ・ライアンも同じくカムバックならず。しばらく一線から退いていた彼女だが、昨年主演&監督として『What Happens Later』でロマコメに戻って来たのでこれからの活躍が期待できそう。 ■マイク・“ヴァイパー”・メットカーフ/トム・スケリット トップガンの教官で、ベトナム戦争の任務中に亡くなったマーヴェリックの父の戦友でもあったヴァイパー。グースを亡くして道を見失ったマーヴェリックを信じて導いた彼を演じたのは、リドリー・スコット監督の『エイリアン』(1979)の船長役で知られるトム・スケリット。 本作出演の後も、ジュリア・ロバーツら豪華キャスト出演の『マグノリアの花たち』や、ブラッド・ピット主演ロバート・レッドフォード監督の『リバー・ランズ・スルー・イット』などに出演。『ブラザーズ&シスターズ』や『グッドワイフ』、『マダム・セクレタリー』などテレビドラマでも活躍し、『レバレッジ ~詐欺師たちの流儀』でエミー賞ゲスト男優賞を獲得している。今年91歳を迎えたが、2021年には88歳にして主演映画『East of the Mountains』も公開。2022年にもドラマに出演するなど、最近まで活動していたようだ。 ■トム・“アイスマン”・カザンスキー/ヴァル・キルマー 破天荒で天才肌のマーヴェリックとはまさに好対照、冷静沈着なアイスマン。演じたヴァル・キルマーは本作で大ブレイクを果たし、ジム・モリソンの半生を描く『ドアーズ』(1991)や『バットマン フォーエヴァー』(1995)に主演。アル・パチーノとロバート・デ・ニーロ共演の『ヒート』(1995)やロバート・ダウニー・Jr.主演の『キスキス, バンバン』(2005)に出演するなどその後も活躍したが、2014年に喉頭がんと診断され、度重なる治療のために声を失ってしまう。 本作では、試練を通じてライバル心を友情に昇華させたマーヴェリックとアイスマンだが、スクリーンの外でもその関係性が見て取れ、トムは続編について「ヴァルなしでは制作しない」と断言。『マーヴェリック』では、声を失ったヴァルをアイスマンに反映させ、感動の再会シーンが実現した。また2023年には自らプロデューサーを務め、声の出ないヴァルに代わり息子がナレーターを務めたドキュメンタリー『ヴァル・キルマー/映画に人生を捧げた男』も公開されている。 大ヒットを記録し、スティーヴン・スピルバーグをして、コロナ禍にあえぐ映画産業を救ったと言わしめた『マーヴェリック』。アイスマンとマーヴェリックの再会シーンだけでなく、ケニー・ロギンスの「デンジャー・ゾーン」をバックに空母から戦闘機が飛び立つ冒頭シーンなど、オリジナルのエッセンスは脈々と受け継がれている。伝えられているところでは、第3弾には、グースの息子役を演じたマイルズ・テラーら『マーヴェリック』のキャストが出演に意欲を見せているそう。今回紹介したオリジナルキャストのカムバックの可能性も否定できない。(文・寺井多恵) 映画『トップガン』は11月8日、『トップガン マーヴェリック』は11月15日に金曜ロードショー(日本テレビ系/毎週金曜21時)にて放送。