<私の恩人>「ノンスタ」井上、「宇治原さんは僕の人生のガイドブック」
どんな悲鳴も歓声ととらえるナルシストキャラをまい進する、お笑いコンビ「NON STYLE」の井上裕介さん(35)。吉本ブサイクランキングで“殿堂入り”を果たす一方、何があろうと常に前を向く日めくりカレンダー「まいにち、ポジティヴ!」も3月10日に発売されることになりました。今や、すべてを推進力に変えてみせるオンリーワンの存在となりましたが、迷いに迷った時期、暗闇の中から導いてくれたのが「ロザン」の宇治原史規さんだったと言います。 宇治原史規 “クイズ王”宇治原は“クイズ女王”の母性に育てられた! 今から、もう15年ほど前になりますね。デビューしてすぐの頃、大阪で「baseよしもと」という若手の劇場に出るようになったんです。当時、その劇場に出ていた若手で組んでいたバスケットボールチームがありまして、そこに宇治原さんもいらっしゃった。それが最初の接点でした。 宇治原さんの方が年齢が3つ上で、もちろん芸歴も上。そして、当然、学歴も上ですし(笑)、最初からお兄ちゃんのような感じがしてたんです。そこからグッと距離が縮まったのは、何というか、自分の悩みをスッと相談できるんですよね。弱みをさらけ出すのが恥ずかしくないというか。分からんことを素直に分からないと言えるんです。そして、それを全部教えてくれるんです。 芸事だけじゃなく、何においてもなんですけど、ニュースを見てても「これ、どういうことなんですかね?」と尋ねると、知らないことをバカにするわけでもなく「それはな…」と丁寧に教えてくれる。 あと、これも大きいのは、こちらが何か相談した時に、否定から入らないんです。「それはアカン」を言わない。「うん、確かにお前が言うことは分かる。ただ、一回、こういうことを試してみるのも手だと思うよ」という感じで。そういう細かい優しさみたいなことに甘えさせてもらって、本当に、いろいろなことを相談させてもらうようになったんです。 皆さんはどう思ってらっしゃるか分からないですけど(笑)、こう見えても、特に若い頃は、人付き合いがホンマに苦手やったんです。いろいろ付き合いをするタイプじゃなかったというか。ただ、やっぱり仕事をしていくうえで人間関係の幅も広げていかないといけない。でも、いろいろ考えてしまって、それが全然うまくできない。実は、そこが自分の中ではすごく大きな悩みだったんです。 なので、悩んで悩んで、宇治原さんと飲みに行った時に「どういう風に人と接していったらいいんですかね…」と尋ねたんです。そしたら、宇治原さんが「お前がやりたいようにやるのが一番。なぜなら、お前が生理的に嫌いという人間はお前が何を努力しようが嫌いということは変わらない。だから、変に合わせにいくみたいなことをやっても結局は一緒。だったら、お前がやりたいようにやるのが一番となる。そして、逆もまた同じ。お前がダメな人間でも、お前のことが好きな人間は、どうやったってお前をかわいがる。現に、俺がそうや」と。 本当にね、肩の荷が下りたというか、スッと気持ちが楽になりました。変に無理しなくていいんだ、というか…。その言葉に救われました。そこが今の僕の考えのスタートになっているんだと思います。実際、そこから不思議と人のつながりが増えていったんです。