巨人・丸「つきものが取れたじゃないですけど、落ち着けたかな」今季初1番で3安打3打点
◆JERA セ・リーグ DeNA2―6巨人(28日・横浜) 巨人は新打線が機能してDeNAに連勝し、2カード連続勝ち越しを決めた。試合前まで26打席無安打だった丸佳浩外野手(35)の今季初1番起用が的中。先制打、決勝二塁打、犠飛で3安打3打点をマークした。2番の佐々木俊輔外野手(24)も3安打2打点。12安打6点で球団ワーストの13試合連続3得点以下に終止符を打った。同点の5回1死満塁から救援し、併殺で切り抜けた堀田賢慎投手(22)が2年ぶり白星。3、4月の勝ち越しも決まった。 【動画】丸、真剣な表情でバッティング練習 自分を信じて、丸は振り抜いた。2―2の6回2死二塁。丸は上茶谷の内寄り137キロスライダーを捉えた。「詰まっていたけど、(打つ)ポイントも良かったし、スイングに乗った感じはあった」。高く上がった打球は右翼手の頭上を越えてフェンス直撃の二塁打となり、勝ち越しに成功。3安打3打点で、13戦連続3得点以下というチームの不名誉な記録を止めた。 7試合、26打席無安打で迎えた中、今季初めて1番で起用された。試合前まで計8人が1番で先発起用され、打順別では9番を除いて最も低い打率(1割7分5厘)となっていた。二岡ヘッドから「1番・丸」を提案された阿部監督は「出塁率はいいので、経験もたくさんあるし、託したというところです」と経験値にかけた。 思い切ったオーダー変更が、得点力不足と丸の復調を2つ同時にかなえた。「切り込み隊長なので、チームに勢いを与えられたらなと思っていた」。初回先頭、初球を積極的に振ったライナーは中堅の正面を突いたが、3回先頭でも初球を右前へ。18日の阪神戦(甲子園)以来、28打席ぶりにHランプをともした。「つきものが取れたじゃないですけど、落ち着けたかな」。4回2死二塁でも三たび初球を狙い、中前へ先制打。6回のV打、8回の犠飛を含め、3安打3打点とけん引した。「縁起のいい球場だと、僕も自覚あります」。プロ初本塁打、1000安打、200本塁打を達成した横浜で復活を告げた。 11日に35歳を迎えた。08年に18歳で広島に入団した時、当時36歳の前田智徳氏らの姿を見て「まさかこの年までできるなんて思ってもみなかった」という。「ただうまくなりたい」と、ひたすらに技術向上だけを求めてバットを振り続けてきたが、最近ふとチームに目がいくことに気づいた。「これまでは極論、“自分が打てばいい”じゃないけど、自分のことしか考えていなかった。今はチームの状態だったり、あいつ良くないなとか、周りを見ることが増えました」。だからこそ、貧打にあえぐチームを救えたことが何よりうれしかった。 丸に導かれ、2番の佐々木も3安打、今季初3番の吉川も2二塁打と鮮やかにつながった。12安打6得点で14戦ぶりに4点以上を奪った。開幕前のレギュラーの確約さえない状況から、再び巨人打線に不可欠な存在となった背番号8は「今季は投手陣に助けてもらっているゲームが多いのでバッター陣が盛り上げていければ」と援護を約束。阿部監督も「いい形で追加点が取れたので良かった」と新打線への手応えを口にした。連勝で2カード連続勝ち越し。復調した百戦錬磨の丸が、打線を活性化させる。(井上 信太郎)
報知新聞社