【長崎】亡き我が息子に届け!クリスマスイルミネーション
NCC長崎文化放送
クリスマスを前に長与町の山あいでは、住宅を彩るきらびやかなイルミネーションが楽しめます。見に来た人に「癒やし」を届ける光には、ある特別な思いも込められています。 【写真】【長崎】亡き我が息子に届け!クリスマスイルミネーション
長与町丸田郷でひときわ目立つこちらの住宅。きらめく電飾が至る所に飾られています。壁には縄はしごをよじ登るサンタクロースの姿も。 小柳亮雄記者:「それでは中に入って行きたいと思います。(歩いて…)こんばんは~。(中山さん)こんばんは~中山です~(小柳)すごくきれいな電飾の数々ですね!(中山さん)ありがとうございます」 イルミネーションを手掛けたのは、中山陽三さん72歳。家の前を通る人や近所の人に楽しんでもらおうと、2018年ごろから毎年この時期、自宅の庭を1人で飾り付けています。ライトアップは午後5時半から午後9時半まで。玄関のインターホンを押して、中山さんに伝えると庭に入ることができす。数えきれないほどあるイルミネーションの中で中山さんのおすすめは…? 中山陽三さん(72):「そこまでこだわってはいないけれどやっぱりこの東京タワーですね、スカイツリーではなくて東京タワーなんですよ。最近あまりこういうものを見かけないものですから、ただ何となく雰囲気があるでしょ、東京タワーというのは」 他にも美しいライトに照らされた紅葉や、百年に一度しか咲かないとされる黄金竹の花など、中山さんが丹精込めて育てた見所が満載です。「イルミネーションを見て多くの人に楽しんでほしい」と話す中山さん。実は2018年まで、浜町の「カフェ・オリンピック」の2代目店主として腕をふるい、長崎名物「ビッグパフェ」を発案しました。 中山陽三さん(72):「(当時から)『おいしい』より『楽しかった』が好きだったもんですからそこ一点ですね」 冬のイルミネーションだけでなく、中山さんは毎年5月の「こどもの日」に合わせて、数百匹のこいのぼりを揚げています。その背景には、2007年、27歳の若さで亡くなった長男・雅之さんへの思いがあります。 中山陽三さん(72):「まあ息子が見ていることを期待してじゃないですけど、まあ見ていると思いますけど。気付いてくれればいいんですけど。そのために数を揚げているんですけども」 年々少しずつ数が増えているイルミネーションにも同じ思いが込められていました。 中山陽三さん(72):「(イルミネーション)見ているか?ぐらいのことですよ。いつかは会えると思っているから、会った時に『お前、見とったとか?知っとったか?』みたいなことですよね。(Q.雅之さんは来年も再来年も楽しみにされているのでは?)息子は忙しか!そんな感じです、見る暇あるもんね、そんな忙しかとにってそういう感じの子ですよ…まぁそういいながらでもどこかで見ているんですけどね」 雅之さんを思う心が詰まった、温かみのあるイルミネーションは、正月明けまで毎日見ることができます。
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