列車通過まで残り数時間…レールを切断して隣にずらしてつなぎ直し 高架化されて遂に開業した新しいJR松山駅 その仕上げの舞台裏は
この夜、駅を挟む2カ所で実施された高架線路への切り替え工事には、合わせておよそ170人の作業員が投入されました。 JR四国によりますと、16年前に行われた高知駅の高架化工事以来の規模ということです。 最終列車の通過を待って始まった工事は、既に設置されて使用されている線路の切断から始まりました。 切られた線路は、南へおよそ2メートルずらされる形で、新しい松山駅へ向かう線路と繋げられます。 長さおよそ100メートルの線路は、列車の走ることのできる状態のままで持ち上げられると、新しい線路の前へと動かされました。 切断開始からここまでおよそ25分。 ちなみに軽量化を図るため、この区間の線路の枕木は、予め木製のものと取り替えられているんだとか。 限られたスペースの中を多くの作業員が行き交いながら、新しい線路を繋げていきます。 こちらは、ミリ単位で線路を調整することのできる作業用車両「マルチプルタイタンパー」です。 新しい駅の開業まで残り数時間、リミットの迫る中で最後の仕上げ作業が続けられました。 (JR四国 保線課・高原 正樹 課長) 「高架には、JR四国で初めて軌道構造を採用している。防振・防音性能に優れた軌道になっているので、その違いを、線路に携わる者として、感じ取ってもらえればと思う」 日も明けきらない午前5時半。 開業したばかりの真新しい松山駅には、県外からの鉄道ファンなど、多くの人たちが続々と訪れ、写真に収めたりしてました。 (城 健大呂記者) 「新しい松山駅、記念に入場券を購入しました」 □□■■ 実に71年ぶりに刷新された松山駅。 (子ども) 「すごい」 駅構内の天井は愛媛産のスギやヒノキで覆われ、トイレのタイルには砥部焼が使われるなど、あちこちに愛媛の玄関口らしいデザインが施されています。 JR松山駅待望の自動改札機も導入されました。 SUICAやICOCAなど交通系ICカードは利用できませんが、JR四国が導入しているチケットアプリのQRコードには対応しています。
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