新世代ポップスター、MAXインタビュー【前編】LE SSERAFIMのHUH YUNJINとのコラボを語る。
──TikTokでYUNJINさんからの手紙を紹介していましたよね。キュートでした。 韓国ならではのカルチャーなのかなと思うんですが、形に残るギフトとしてアルバムや手紙を相手に贈るのは、本当に素敵だなと思います。だから今回、日本の前に韓国に行った時、僕からもYUNJINへ完成した『LOVE IN STEREO』と一緒に、直筆の手紙をプレゼントしました。 ──「STUPID IN LOVE」は、明るく爽やかなポップチューンです。なんとなくティーンの頃に聴いていた曲を思い出しました。 僕はポップソングに目がなくて、イン・シンクやバックストリート・ボーイズ、ブリトニー・スピアーズを聴いて育ってきました。今もなかなかやめられない、ギルティ・プレジャーの一つ(笑)。ああいう曲を聴きたくても、今はあんまりないでしょう。だから自分で作ったというわけ。 誰がなんと言おうとかまわない。50歳、60歳になっても、きっと僕はポップソングを書いているはず。ティーンの頃に聴いていたものって、自分の生活や人生に入り込んでいると思うから。そもそも音楽はマーケティングで作るものじゃない。自分が本当に好きだと思える曲を発信するべきで、だからこそ僕の音楽には、明るさや喜びみたいなものが備わっているんだと思うんです。 ──MAXさんの“好き”が詰まった曲なんですね。 ハッピーな気持ちが湧いてくるような音楽こそ、逆にクールなんじゃないの?って僕は思います。でも「STUPID IN LOVE」について、ハッピーに寄りすぎたかなとも思い、リリースを少し渋った時期もあったんです。とはいえいざリリースしたら、TikTokのダンスチャレンジなどを通して、アルバムの中でも一番リスナーとコネクトした曲になった。これだけ伝わったということは、ああいう音楽を求めている人が僕以外にもいっぱいいたんだなって。
──どうしてYUNJINさんとこの曲をコラボしたんですか? LE SSERAFIMのフィアレスかつダークファンタジー的なコンセプトからすると、少し意外な選曲でした。 すでに作っていたうちから、何曲か先方に送ったんです。本アルバムの収録曲だと、「STUPID IN LOVE」と「WOAH」。「WOAH」はダークな感じのダンスチューンなんだけど、YUNJINが反応したのは「STUPID IN LOVE」の方だった。 でもハッピーとはいえ、かなりフィアレスな曲でもありますよね。「ベガスで結婚式をあげようよ/ゲストリストなんかは気にしないで/考えすぎずにさ/お揃いのタトゥーも入れて/やりたいようにやろうよ」って。僕は妻のエミリーと出会って3カ月で婚約して、9カ月で結婚したんだけど、その時期の思いきった気持ちをもとに書いた曲なんです。今はもう結婚して8年になるんだけど。 ──勢いで何かに飛び込むことも時には必要だと歌う、勇敢な曲なんですね。「STUPID IN LOVE」と「WOAH」は対照的な曲だと思うのですが、その両曲を送った理由は? 今までの経験上、コラボ相手に選択肢を与えることは大事だなと。たとえば「Blueberry Eyes(feat. SUGA of BTS)」の時、SUGAが選んだのは意外な曲だったから。今となっては、「Blueberry Eyes」を彼なしでは考えられないくらいですけどね。それも、SUGAがあの曲を彼なりに捉えて形にしてくれたから。 YUNJINからどんな反応が返ってくるか楽しみだったんですけど、自分としては「STUPID IN LOVE」を選んでほしいなと最初から思っていました。自分の弱さも何もかも、より僕自身をさらけ出した曲だったので、彼女と一緒にこの曲を完成できたらいいなと考えていました。 ──コラボしてみて感じた、YUNJINさんのパフォーマーとしての魅力は? 彼女とはすごく相性がいいっていうか、なんとなくピンとくるんですよね。考えてみれば、お互いニューヨーク育ちだし。あとLE SSERAFIMのパフォーマンスでもそうだけど、曲を通じて自分をさらけ出すことを恐れていないところも通じ合っているのかなって思います。 ──「STUPID IN LOVE」のMVも楽しみです。 韓国で撮ってきたので、もうすぐ観てもらえるはず(*下記MV。YouTubeほかにて公開中)。