猛暑の余波で卵の価格高騰「体調の悪いニワトリ多かった」野菜も生育遅れ値上がり 影響いつまで?
(黒木千晶キャスター) 暑さでいろんなものが値上がりしているという話です。 卵は275円。過去5年の平均が216円ということで、それよりも高くなっているということです。 「月見」商品や鍋、ケーキなど需要が高まって価格が高騰している。鳥インフルエンザが大流行しなければ、例年通り、年明けから価格が下落するのではないかとみられているということです。 野菜は、価格が平年比率111%以上の見込みということで、こちらも高騰しています。 大根、人参、白菜、ネギ、ピーマン、ナス、レタス、ほうれん草。11月上旬には価格が落ち着くのではということです。 (蓬莱大介 気象予報士) 今年は特に気候変動で、猛暑、大雨などの影響もあります。場所によっては、雨が少ないというのもあり、価格が上がっています。
それぞれの農家さんも対策をとっています。品種改良したり、いろんな対策をとったり。 ただ、その対策をとっても、それに追いつかないぐらいの気候変動の激しさということです。 野原種苗の塩崎恵治さんによりますと、高温に弱い野菜を作る量を減らす農家もいる。生産量を減らして、値段の高騰につながることもある。 暑さに強い品種を開発しているんですが、気候変動のスピードの方が早くて、開発が追いつかない。 山田牧場の山田保高代表によりますと、牛は21℃以上でストレスがかかる。扇風機など電気代が月30万円ほどかかる。 しかし、対策をしても、牛が夏バテになってしまい、餌を食べる量が減る。そうすると、ミルクを出す量も減る。結果、収入も15%ほど減ってしまう。
気候変動の対策というのは、二酸化炭素を出さない、温室効果を出さないというブレーキをかける緩和策と、もう一つ、気候が変わってきたことに対する「適応対策」が大切になってきます。 ただ、この適応策を取ったとしても、気候変動のスピードが早い。民間の方はかなり努力をされているので、そこを補助するような国の仕組みが大切なのかなと思います。 いま選挙をしていますが、気候変動が公約の争点になることは、なかなかないという点は、気象関係者としてはちょっと思うところは正直あります。