２ランを放ち、ベンチで喜ぶジャッジ. (AP)

【ニューヨーク15日（日本時間16日）＝竹濱江利子通信員】米大リーグのア・リーグ優勝決定シリーズ（7回戦制）第2戦が行われ、ヤンキースが6―3でガーディアンズに勝利し、2連勝。アーロン・ジャッジ外野手（32）に待望のポストシーズン（PS）初本塁打が飛び出した。過去も含めPSで苦しむ大砲の一発に冷え込んだ本拠地は大歓声。2009年以来となるワールドシリーズ進出へ、残り2勝とした。 吐く息が白く濁るヤンキースタジアム。眠れるスラッガーが目を覚ました。4―2の七回1死一塁にジャッジが高めいっぱいの直球を強振すると、打球速度111・3マイル（約179キロ）、飛距離414フィート（約126メートル）の滞空時間の長い2ランがバックスクリーン右に着弾。気温10度、寒風が吹き抜ける客席は熱狂に包まれた。 「自分ができることだけに集中して毎打席に入っていた。風の強い寒い日に打球がどう飛ぶか分からない中、入ってくれてうれしかったし、いい追加点になった」 レギュラーシーズンに58本塁打を放ち、ア・リーグMVPが確実視されている大砲だが、ポストシーズン（PS）に入って17打席連続本塁打なしと不振に陥った。ようやく出たPS通算14本目のアーチで球団史上単独5位となり、4位のベーブ・ルースに1本差。二回1死二、三塁では前打者のソトが申告敬遠されたが、「驚くことではない。自分でも四球を与えるだろう」と平常心を保ち、中犠飛で加点。主将としてあるべき姿でプレーし続けた。 本拠地で2連勝を飾り、松井秀喜がワールドシリーズMVPを獲得した2009年以来、15年ぶりとなるリーグ優勝決定シリーズ突破へ残り2勝とした。ソト、スタントンと中軸打者が好調だが、「まだやることはたくさん残っている」とジャッジに浮かれる様子はなかった。怪物に快音が戻れば、ヤンキースは最も脅威的なチームとなる。 ◆2連敗を喫し、本拠地に戻るガーディアンズ・ボート監督　「好機はつくれたが、重要なところでビッグヒットが出なかった。2連敗は事実だが、次戦へのアプローチは何も変えない。ただチームとして戦い続けるのみ」