NTT社長、ドコモが「海外製基地局」を使わざるを得ない理由説明--国内製にない機能とは
日本電信電話(NTT)で代表取締役社長を務める島田明氏は10月29日、総務省の通信審議会に登壇。NTTドコモが基地局の国内優先を転換し、海外製の基地局に切り替えるとの報道についてコメントした。 「つながらない」の根本原因で注目される「Massive MIMO」とは 島田社長は報道について「我々は内外無差別で品質とコストを見ながらベストな製品をチョイスするのが基本的なスタンス」と前置きしつつ「事実関係として、昨今は都市部でトラフィックが増大している」と述べた。 そのうえで、「(トラフィックの増大に対応するための)Massive MIMO方式を現実問題として提供できる国内メーカーは存在しない」とコメント。「(Massive MIMOを利用するには)どうしても海外メーカーを使わざるを得ない」とも続けた。 一方で「国内ベンダーも開発はしっかりやっており、国内メーカーが(Massive MIMO方式を)開発した暁には使っていきたい」とコメント。ドコモが基地局を外資に転換したとの報道は「事実誤認」とし「国内メーカーにも頑張ってもらいたい」と結んだ。 Massive MIMOとは Massive MIMOとは、多数のアンテナ素子とビームフォーミング技術を組み合わせることで、スマートフォンの1台1台に専用の電波を割り当てる技術だ。これによって、人が多く集まる場所でも通信を高速化できる。 昨今、ドコモが「つながらない」とされる根本原因の1つとして、実質的には国内メーカーを積極採用していたため、海外製基地局メーカーとの付き合いが薄く、Massive MIMOを積極導入できない点が指摘されていた。