65歳からは年金月7万円、“遺族年金ゼロ”の衝撃…50代で夫を亡くした共働き妻「専業主婦を妬まずにはいられない」【FPが解説】
「第3号被保険者」とは?
日本の公的年金制度は、20歳以上60歳未満のすべての方が加入する国民年金(基礎年金)と、会社員・公務員の方が加入する厚生年金保険の2階建て構造です。 また、被保険者制度は次の3つに分類されています。 3号被保険者は、「20歳以上60歳未満で第2号被保険者に扶養されている人」と定められており、自ら保険料を負担しなくても基礎年金分は受け取れます。 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報」(令和3年度)によると、受給者数は、 ・老齢年金:約4,044万人 ・障害年金:約231万人 ・遺族年金:約677万人 となっており、これを現役世代約6,729万人と税金で支えています。さらに、この約6,729万人の内訳は、 ・第1号被保険者 約1,431万人 ・第2号被保険者 約4,535万人 ・第3号被保険者 約763万人 となっています。これからの現役世代の減少を考えると、継続の道は困難だと考えます。
無年金対策として創設された第3号被保険者制度
第3号被保険者制度は、1986年4月から適用された制度です。この制度がスタートされる前は、専業主婦は任意で国民年金に加入し自ら保険料を負担するしくみでしたが、未加入のひとは老後に無年金になる問題が指摘されていたことから設立されたものです。 しかしながら、この制度ができて以降は、女性の社会進出が進み、現役世代が減っていることや婚姻率の低下等により、第3号被保険者は1995年度末の約1,200万人をピークに減少が続いており、2022年度末では、約763万人となっています。 女性の生き方もさまざまとなり、時代にそぐわず不公平ともいわれ、次のような見直しを求める声も大きくなっています。 ・女性の就労は今後も続くことが予想され、女性の社会進出を阻害しかねない制度である。 ・保険料も負担せずに給付を受け取るのは社会保険の原則に反するのではないか。 ・一般的に生活が苦しいといわれるシングルマザーは保険料を負担していることから、配偶者のいる人の免除はおかしい。