300psの同じエンジンでも価格差は約1000万円!ルノーとアルピーヌはどっちが速い?【東京オートサロン2024】
エンジンの最高出力は300馬力で同じ、最大トルクはメガーヌ優位
メガーヌはフロントにエンジンを横置きするFF(前輪駆動)、A110はミッドシップにエンジンを同じく横置きするMR(後輪駆動)とレイアウトは真逆となっているが、エンジン自体は総排気量1798ccのガソリン直噴4気筒ターボと共通だったりする。しかも最高出力は221kW(300PS)と同一なのである。 とはいえ、すべてのスペックが共通というわけではない。最高出力は同じだが、発生回転はメガーヌR.S.が6000rpmなのに対して、A110Rは6300rpmと若干高めとなっている。 逆に、最大トルクのスペックはメガーヌR.S.が420Nm/3200rpm、A110Rは340Nm/2400rpmと、メガーヌR.S.が上回る。トランスミッションもメガーヌR.S.は6速AT、A110Rは7速ATと異なっている。
軽量ボディのミッドシップ、A110Rは圧倒的な加速性能を持つ
最大トルクの違いから、数字的にはメガーヌR.S.のほうが加速性能に優れていると思うかもしれないが、メーカー発表の加速性能を見るとA110Rが優位だ。0-100km/h加速の数値は、メガーヌR.S.が5.7秒、A110Rは4.0秒と圧倒的に速い。 その理由は車重の違いにあるといえるだろう。アルピーヌA110Rチュリニの車両重量は、わずか1100kgなのだ。メガーヌR.S.の1470kgという重量もCセグメントハッチバックとしてはかなり軽い部類になるが、2シーターミッドシップのピュアスポーツカーには敵わないといったところだろうか。 しかしながら、もっとも異なるのは価格だ。 今回の東京オートサロンで展示されたA110Rチュリニの車両価格は1550万円で、オプションカラーの「ブルーレーシングマット」は110万円。合計すると車両だけで1660万円だ。 一方、メガーヌR.S.ウルティムの価格は659万円で、ボディカラー「ジョンシリウスメタリック」のエクストラコストは18万円。合計しても677万円、A110Rチュリニとの価格差は983万円もある。 これだけの価格差を考えれば、同じようなエンジンを積む2台においてA110Rが速くなければ、実際に購入したユーザーが許さないだろう。もっともルノーのファンであれば、この2台をやみくもに比べるのではなく、仲良くガレージに並べるのが理想かもしれない…。
山本 晋也