センバツ2022 2回戦 近江8強入り 一挙5点、猛打で逆転 /滋賀
第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第7日の25日、近江は聖光学院(福島)との2回戦に臨んだ。初回に先制されたが、二回に一挙5点を奪い逆転すると、その後もリズム良く試合を展開。7―2で勝利し、県勢として2016年の滋賀学園以来となる8強に進出した。はつらつとしたプレーを見せた近江ナインは、県勢初のセンバツ4強をかけ、大会第9日第2試合(27日午前11時開始予定)で金光大阪(大阪)と対戦する。【礒野健一、中田博維】 聖光学院は2014年夏に対戦し、逆転サヨナラ負けを喫した因縁の相手。その時のエース、小川良憲さん(24)は「後輩の応援で甲子園に来たのは初めて。相手が聖光学院に決まり、有休をとって駆けつけた」と雪辱を期待した。 初回に先発の山田が制球を乱して1点を失ったが、二回に1死満塁の好機を作ると、清谷が左中間に適時二塁打を放ち逆転。更に津田と横田の適時打などで計5点を奪う猛攻を見せた。津田の父宗治さん(56)は「体を崩されながらバットコントロール良く打った」。横田の父正俊さん(50)は「追い込まれてもしっかり振っていた。守備もよくやっている」と喜んだ。 六回には清谷が2本目の適時打を放ち追加点を奪う。母直子さん(49)は「最近は体つきも大きくなり、よく鍛えているなと感じる」と成長に目を細めた。八回には中瀬が4安打目となる左前適時打を放ち7点目。父勝美さん(44)は「4本はたまたま。でも、いい打球だった」と満足げな表情を見せた。 序盤に力みがあった山田も「七分の力で投げるよう心がけた」と切り替え、初戦の10奪三振の力投とは対象的に、この日は三回以降は奪三振ゼロと打たせて取る投球にチェンジ。87球の省エネ投球で完投しチームを8強に導いた。山田が所属した少年野球チーム「大津瀬田レイカーズ」の副主将、小宮颯太さん(13)は「かっこよく、プレーもすごく参考になる」と目を輝かせた。 近江の小森博之コーチ(38)は「もう一本欲しい場面で打てないところもあり、これからのチーム。でも(夏の甲子園4強の)去年の3年生が残した勢いを引き継いでいるとは思う」と手応えを感じていた。 ◇「青一色」で士気高め 一塁側アルプススタンドには応援団約730人が集結し、メガホンをたたくなどして選手を鼓舞した=写真。野球部員のユニホーム、吹奏楽部のジャージー、保護者のウインドブレーカーなどは全て「近江ブルー」。攻撃時には青いタオルも高く掲げ、春の青空のもと青一色で選手の士気を高めた。ダンス部の部長、中西花穂さん(17)は好リードで勝利に貢献した大橋と同じクラス。「普段はとても穏やかだが、グラウンドではピリッとした印象。私たちの応援が少しでも力になればうれしい」と話した。