藝大卒漫画家が解説!国立新美術館「マティス 自由なフォルム」必見ポイントまとめ
今回の為に修復された巨大切り紙絵作品「花と果実」
普段はフランス・ニース市にあるマティス美術館に象徴的に飾られている、4.1×8.7mを誇る巨大な切り紙絵作品《花と果実》。 今回の展示の為に修復をし、はるばる東京にやってきました。 ぜひ実物を見て、圧巻されてほしい作品です。 また、包まれるようなスケール感もすごいですが、近くで見ると、刷毛の跡や位置を決める為に使用したピンの穴なども発見できます。 こちらの作品は、アメリカ人コレクターのために制作された巨大壁面装飾の習作のひとつ。 全部で4点の習作を制作し、実際に採用されたのは、実はこちらの作品ではありませんでした。 作品の依頼から制作にまつわるストーリーも展示されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。 ちなみに、こちらの作品は撮影可能なので、マティスの切り紙絵の花に囲まれて記念撮影も!
マティス78歳からの挑戦!「ヴァンスのロザリオ礼拝堂」
マティス78歳の時に始まった一大プロジェクトが、南仏ヴァンスにあるロザリオ礼拝堂。 建物から内部の装飾はもちろん、司祭のまとう上祭服といった、すべてのものをマティスがデザインを手がけました。 マティスのこだわりが詰まった礼拝堂で、マティスファンなら「一度は行ってみたい」と願う憧れの場所。 なんと今回の展覧会では、その礼拝堂を限りなく現地に近い形で再現! 特に、実際に礼拝堂内部に落ちるステンドグラスの光を撮影し再現した、約3分間の光の移ろいは必見です。 ちなみに、このヴァンスのロザリオ礼拝堂の案件をマティスに紹介したのは、マティスのモデルをしたのちにシスターになったモニク(ジャック=マリー)と言われています。 前回のマティス展紹介記事内に、マティスの人間関係も紹介していますので、ぜひご覧ください。 ここでご紹介した作品以外にも、マティスが手がけた舞台衣装や画家シニャックに影響を受けていた時代の点描作品、彫刻作品の展示もあります。 ぜひ展覧会へ足を運んで、実際の作品を見てみてくださいね!