藝大卒漫画家が解説!国立新美術館「マティス 自由なフォルム」必見ポイントまとめ
こんにちは! 漫画家兼イラストレーターの新里碧(にっさとみどり)です。 まず「マティスの展覧会」と聞いて、「あれ? 去年もあったよね?」と思った人も多いはず。 【画像7枚】展覧会「マティス 自由なフォルム」の見どころ作品の一部を画像で紹介!作品だけでなく、パレットや愛用品などもおもしろい! 私が昨年紹介記事をを書かせていただいた東京都美術館での「マティス展」と、今回の「マティス 自由なフォルム」は、まったくの別物! 昨年の「マティス展」はパリのポンピドゥー・センター/国立近代美術館所蔵の作品がメインの展覧会で、マティスの人生をたどるような様々な表現手法で描かれた絵画作品を中心に展示されていました。 今回の「マティス 自由なフォルム」は、ニース市マティス美術館所蔵の作品がメインの展示になっており、マティスが晩年手がけた切り絵作品が中心になっています。 展示作品はもちろん違いますし、別の見どころもたくさん! と、いうわけで、「マティス展」を見た方も、そうでない方も、きっと行きたくなる「マティス 自由なフォルム」の必見ポイントを解説とともにまとめました。
「野獣派」のはじまりの頃「マティス夫人の肖像」
「野獣派(フォーヴィスム)」とは、見たままの自然な色にこだわらず、画家が感性のおもむくまま、心情を表す自由な色を使って表現した絵画運動のこと。 見たままを映し出せるカメラの出現により、それまでありのままを描くことを求められてきた絵画に新たな価値を見いだす必要が出てきたと言われています。 そんな時代、マティスが描いた妻の肖像がこちら……! 一見して「顔にこの色……!?」と思わせるような、なんとも大胆な色使いかつ絵画的表現! じっくり見ていると、だんだんとその色使いに納得させられるような不思議な感覚になります。 モデルになったのは、画家として生きるマティスを支えた超苦労人かつパワフルな妻、アメリー。 マティスはアメリーや娘、息子たちといった家族を描くことも多い画家でした。
マティス愛用の品を見よ!
今回の展示で、私が特に「面白い!」と感じたのは、マティスの作品だけではなく、愛用品が展示されているところ。 マティスが絵画を描く際に使用していた、絵の具のたくさんついたパレットといった道具類。 このような愛用品が展示されていることで、作品を鑑賞するときの視点や想像力がより広がって楽しめると思います。 ちなみに、ミュージアムショップでは絵の具のついたパレット型のノートも販売されていました!