2024年のブロックチェーン技術予測──リップル、コインベース、a16z、スタークネットなど10人の専門家に聞く
検閲
中央集権化に関する懸念は、本質的に次の2つの核心的な問題に集約される。 (1)中央集権化のベクトルは、アプリケーションを停止リスクにさらすネットワークパフォーマンスの問題につながるか?(2)中央集権化は検閲上の問題を引き起こすか? イーサリアムにおけるブロック構築、リレー、検証の分離について興味深いことの1つは、イーサリアムの取引処理スタックの3つの異なるレイヤー間で、検閲の課題をきれいに分離していることだ。 昨年夏、米外国資産管理局(OFAC)がトルネード・キャッシュ(Tornado Cash)のアドレスに制裁を加えた後、主要なイーサリアムのリレーは取引の検閲を始めた。この問題は、Flashbotsが市場を支配するリレーをオープンソース化し、Ultra Sound、Agnostic、bloXrouteのようなパーミッションレス・リレーが競争力を持つようになって収まった。 現在、取引をますます検閲し始めているのはブロックビルダーだ。私は2024年における最大の開発ブレークスルーのいくつかは、ブロックに含まれる前に、検閲を行う可能性のある当事者から取引を保護するメムプール(mempool)暗号化のような分野からもたらされると予想している。 ライアン・セルキス(Ryan Selkis)氏:メッサーリ(Messari)創業者兼CEO
セキュリティ/プライバシー
2023年、Euler FinanceやAngle Protocolを含め、暗号資産業界では数多くのハッキングや詐欺が発生した。 ブロックチェーンプロトコルがより多くのセキュリティソリューションを生み出し、プライバシーにより真剣に取り組むようになるだろう。 ラマニ・ラマチャンドラン(Ramani Ramachandran)氏:ルーター・プロトコル(Router Protocol)CEO
企業の暗号資産活用
ネットワークと開発者プラットフォームは、フリーの開発者と同様に、企業やスタートアップの開発者をオンボーディングするための準備をするべきだ。 ネットワークプロトコルチームは、ネイティブなデジタル体験で数百万人のエンドユーザーにリーチできるユーザーエクスペリエンスを準備しなければならない。大企業は、資産クラスとしての暗号資産を超え、ユーザーエンゲージメントのための製品やツールとしての暗号資産に移行しつつある。 暗号資産は、その適用範囲を拡大し、オンチェーン活動の次の波を引き入れる必要がある。 ヴァネッサ・ペストリット(Vanessa Pestritto)氏:JavaScriptネイティブのスマートコントラクトプラットフォームであり、プルーフ・オブ・ステーク・ブロックチェーンであるAgoric OpCoのパートナープログラム担当ディレクター