W杯抽選で第4ポット確実のハリルJを待ち受ける「死の組」の恐怖
ここで名前が出てこないのが、8位のスペイン代表だ。2010年の南アフリカ大会で悲願のワールドカップ初優勝を果たした強豪はポット分け方法の変更と、開催国ロシアに押し出される形で、第2ポットに入ることを余儀なくされた。ここが今回の抽選会における大きなポイントだ。 抽選会では4つのポットから1チームずつが、AからHまでの8つのグループに振り分けられる。第2ポットにはイングランド、コロンビア、メキシコ、ウルグアイの難敵勢が入ることもすでに確定しているが、とりわけスペインが入ったグループはその時点でいわゆる「死の組」となる。 スペインはイタリアと同組になったヨーロッパ予選のグループGを9勝1分けの無敗、得点37に対して失点3と地力を発揮して1位突破。11日の国際親善試合でも来年のロシア大会出場を決めているコスタリカ代表を、FWダビド・シルバ(マンチェスター・シティ)の2ゴールなどで5‐0で一蹴。実力の高さを見せつけている。 あくまでも抽選の結果次第だが、2大会連続5度目の優勝を目指すドイツとスペインが同じグループに入る可能性も十分にある。ヨーロッパ勢以外は同じグループに入らないように考慮されるため、日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督をして「最も優勝に近いチーム」と言わしめるブラジルと、スペインが同じグループに入る確率はより高くなってくる。 第3ポッドにはチュニジア、エジプト、セネガルのアフリカ勢が入ることが確定。全チームが出そろっていない関係で未確定な部分はあるが、初出場したユーロ2016でベスト8に進出するなど大旋風を巻き起こし、ワールドカップ初出場も決めたアイスランドもおそらく入ってくる。 ドイツとスペイン、あるいはブラジルとスペインが同組となったグループに入ればまさに悲劇と言わざるを得ない。そのなかで可能性を見出せるグループをあげるとすればロシアが入る組となるが、10月の国際親善試合では韓国を4‐2で一蹴している。開催国というアドバンテージを含めて、ランキングの低さをそのまま受け止めることはできないだろう。 いずれにしてもロシア大会では、第1、2、3ポットから一筋縄ではいかない強豪や難敵が集い、ハリルジャパンに立ちはだかることになる。その日本は15日未明に、第1ポット入りが確定していて、本大会でも顔を合わせる可能性があるベルギーとブルージュで対戦する。 (文責・藤江直人/スポーツライター)