本県で育まれた美術たどる 山形美術館開館60周年記念、企画展開幕
山形市の山形美術館開館60周年を記念した企画展「山形の美術 山形美術館60年のあゆみとコレクション」が13日、同館で開幕した。出身作家や収蔵コレクションから選んだ作品約200点を通じ、本県で育まれた美術文化をたどる。 山形美術館は1964(昭和39)年8月、山形美術博物館として開館。作品収集や調査研究は▽日本および東洋美術▽郷土関係美術▽フランス美術―を中心に行っている。収蔵作品は約2100点で、パリ画壇で活躍する作家の作品を開館20年記念で集めた服部コレクション、91年から寄託を受けるフランス近代絵画の吉野石膏(せっこう)コレクション、県指定有形文化財を含む江戸から明治の狩野派や文人画の長谷川コレクションを有する。 「山形の美術」は同館草創期の収集作品から始まり、風景や人物といったテーマで収蔵品を構成して展示した。初日は現役作家によるトークイベントが開かれ、県美術連盟運営委員長の設楽雅信さん(日本画)が解説した。
設楽さんはギャラリーを歩き、作家の経歴や作品の特徴を語った。大石田町出身の日本画家小松均(1902~89年)の「最上川源流」は、木々や滝、雲などが細かく描かれ、波立つ水面は丁寧に表現されていると指摘。20歳ごろの設楽さんがランニング中に見つけた「最上川沿いで絵を描いているおじさん」が、風景と対面して現場でスケッチする小松だったというエピソードも語った。約40人が参加した。 会期は来年1月26日まで。主催は山形美術館、山形新聞、山形放送。土曜日終日と日曜日午前中は中学生以下が入館無料。提携する大学や専門学校の学生は学生証提示で入館無料。 現役作家によるトークは▽20日=最上川美術館長西塚裕樹さん(洋画)▽1月10日=県美連常任運営委員菅井正明さん(彫刻)▽同17日=同横倉晋也さん(工芸)▽同24日=県芸術文化協会常任理事小沢成光さん(洋画)―で、各金曜日の午前11時から。問い合わせは同館023(622)3090。