フィリピンの大物詐欺集団「JPドラゴン」と「ルフィ」との関係とは?「トップは顔が利く」幹部への単独取材で浮かび上がる犯罪の実態
■留置場で「ルフィ」幹部とビデオ電話 「無関係」を指示か
2つのグループの関係を示す1つの出来事がある。 「ルフィ」グループの幹部で強盗や特殊詐欺を指揮していたとされる今村被告は、警視庁原宿署の留置施設にいた2023年2月ごろ、接見した弁護士を通じて小山容疑者とテレビ電話をしていた。今村被告は「JPドラゴンとは無関係だ」と証言するように求められていたという。小山容疑者は「JPドラゴン」のトップから指示を受けていたとみられる。 また「ルフィ」グループは、特殊詐欺などで60億円以上をだまし取ったとみられているが、その金の一部が「JPドラゴン」側にわたっていた疑いがある。
■小山容疑者「トップは地元警察を動かす力がある」
今回逮捕された小山容疑者は2023年、フィリピンでANNの取材に応じ「JPドラゴン」のトップについて「フィリピンの警察や入管など、様々なところですごく顔が利く人。地元の警察を動かす力がある」と話していた。 フィリピンに特殊詐欺の拠点を置く理由として「フィリピンでは名義無しでも携帯電話が持てて毎月500円でかけ放題が使える。さらに日本とフィリピンでは逮捕した犯罪者を引渡す条約を結んでいないことも都合が良いのではないか」とも明かした。 現在「JPドラゴン」は女が束ねる特殊詐欺グループと男が束ねる特殊詐欺グループの合わせて15人ほどがチーム戦のように特殊詐欺でだまし取った金額を競い合っているという。
■「JPドラゴン」と「ルフィ」グループの実態解明へ
ある捜査関係者は話す。「JPドラゴンは謎が多く犯罪集団である一方で、誰が何をやっているのか、全容がわからない。今回のナンバー3の逮捕により組織の実体やどのような犯罪行為をしているのか、捜査を進めたい」 警視庁は今後、小山容疑者の取り調べなどから、両グループの実態解明を進める方針だ。
テレビ朝日