コーヒーをやめるべき身体からのサインとは?
エスプレッソ、モカ、ラテ...。コーヒーのメニューは何十種類もあるが、なかには本人が意識していなくても体質的にコーヒーが合わない人もいる。自分がコーヒーに向かないタイプかどうかを知るための手がかりを紹介する。 コーヒーを飲み、アルコールを控える「LUVダイエット」とは? 適度な量(1日4杯以下)のコーヒーが健康維持に効果的なことは多くの研究で実証されている。コーヒーには抗酸化成分が豊富に含まれ、心疾患や神経変性疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病)、糖尿病などから身体を守ってくれる。だが、コーヒーの日常的な飲用が間接的に身体に及ぼす影響には個人差もある。コーヒーを飲んで不快な症状が出る場合、体質によっては飲む量を減らす、あるいは完全にやめるほうがいいことも。では、コーヒーを断つべきかどうか、どうやって判断すればいいのだろう? その基準をまとめてみよう。
動悸
コーヒーを飲んだ後に動悸を感じる。これはおそらく最もわかりやすいシグナルだろう。「カフェインは心臓の働きを活発にします。遺伝子型によっては、血圧が上昇することもある」と説明するのは、国立保健医学研究所(Inserm)研究部長でコーヒーが健康に及ぼす効果を研究するアストリッド・ネリグだ。「ですが、そこまで敏感な人はまれ。大部分の人にとってコーヒーはむしろ不整脈を抑制する効果があります」
眠れなくなる
コーヒーには刺激作用があり、入眠の妨げになることは周知の事実。そのため、ふつうは寝る前のコーヒーは控えたほうがいいとされている。ただ、気をつけていても、お昼前に飲んだたった一杯のエスプレッソでとたんに眠れなくなる人も。カフェインへの感受性は、カフェインが体外へ排出されるまでにどのくらいかかるかによって決まる、とネリグは言う。「肝臓でカフェインが分解されるプロセスにかかる時間は個人の代謝機能によって異なります。代謝が遅い人ではカフェインが排出されるまでに16時間かかることもあります」 就寝時に体内にカフェインが残留していると、脳内にある入眠を促す分子アデノシンの受容体とカフェインが結びつき、アデノシンの作用が阻害されてしまう。「脳内のアデノシン受容体の数が少ない人ほど、コーヒーが入眠に及ぼす影響が大きくなります」と、Insermに所属する神経科学研究者で睡眠を専門とするアルメル・ランシヤックは強調する。ノンレム睡眠の時間が減って疲労回復効果が低下し、睡眠の質が悪化する。翌日、睡眠不足による疲労を補おうと、カフェインの摂取量を増やすと、悪循環に陥ってしまう。睡眠負債が徐々に蓄積される恐れがあるとランシヤックは警告する。