稲村亜美の純粋にスポーツを愛する気持ちは、騒動を起こした球児に届くのか
“神スイング”で知られるグラビアアイドル・稲村亜美が、中学生球児たちに取り囲まれもみくちゃになるというハプニングが発生し、「集団痴漢だ」「一歩間違えば将棋倒しで危険な状況」などと物議を醸している。
野球大会の開会式でのハプニングとは?
ハプニングが起きたのは、10日に東京・神宮球場で開催された日本リトルシニア中学硬式野球協会関東連盟が主催した野球大会の開会式でのこと。自身も小学生から中学生まで野球に打ち込んだ野球少女だったことから、野球番組への出演やプロ野球などの始球式といった野球関連の仕事が多いことでも知られている。2015年公開のトヨタ自動車のCMにOL風スーツで登場、豪快なスイングを披露して“神スイング”といわれ話題になった。 そんな稲村が、関東地区202チームの中学生選手が見守るなか、始球式に登板。96キロの見事なピッチングで盛り上げた。しかし、あろうことかその投球後、稲村がマイクであいさつを始めようとすると、弧を描くように囲んでいた球児たちが徐々に稲村との距離を縮め、最終的には先を争うように突進し、稲村の姿が見えないほどの混乱状態となってしまった。場内は騒然となるなか、まもなく混乱は収拾し、稲村は無事な様子で逆に球児たちに怪我がないか心配の声がけをした。 この場面を撮影した動画がYouTubeなどネット上に公開されるとともに、一部、居合わせた球児らしき人物らが、真偽の程は定かではないが「俺触った笑」「抱き着こうとしたら潰されたw」などとツイートしたことなどが騒動に拍車をかけ、「紛れもない痴漢行為」「大人のいる中で起きたことで運営側の管理責任が問われる」といった非難の声が噴出することとなった。とくに今回の場合は、中学生といえど多数の男子が無防備な女性タレントに対して殺到したことも騒動が大きくなった要因の一つだ。
純粋にスポーツ好きの稲村の気持ちは騒動を起こした球児たちに届くのか
稲村は騒ぎを受けて、ツイッターで「神宮球場にいた選手の皆さんが心配してくれますがわたしは全く問題なく大丈夫ですよー!!!」などと気丈な対応を見せた。開幕式後も関係者らと懇談し、連盟幹部の見送りで球場を後にしたという。連盟側も想像できなかった事態で運営が不慣れだったことを認め、謝罪しており、本人も大丈夫とは言っているものの、あれだけの人数が自分をめがけて突進してくれば、たとえ屈強な男性でも恐怖を感じるだろう。一歩間違えれば混乱のなかで大怪我を負う者が出る可能性もあったし、ヒヤッとさせられる場面だったことは否めない。 稲村自身もリトルシニア出身であることから今回の始球式に登板したようで、本人としては騒ぎを大きくしたくないという気持ちだろう。 一昨年、筆者は稲村を取材する機会があった。ちょうどゴルフ番組のアシスタントを始めたタイミングで、ゴルフの猛練習中とのことだった。野球では“神スイング”で知られるものの、ゴルフは同じスイングでも勝手が違うらしく、「普通の始めたての女の子よりはクラブを振れるんですけど、なまじ振れるがゆえにすごく曲がっちゃうんですよ。最近は練習を積んで、曲がらなくなってきましたけど。野球と違って止まるボールを打ちますし、うまくいかないことが多いですね」と、真剣に取り組んでいる様子だった。 そのほかにも、トレーニングや食事などスポーツに関係する質問をしたが、真摯に答える姿勢から、この人は本当にスポーツが大好きなんだなという感想を持った。 「野球はもちろん、今後もいろいろなスポーツに関わっていきたいですね。東京オリンピックもありますし、オリンピックで仕事ができたらいいなって思います」 熱っぽくストレートに語る目は、まさにスポーツ女子のそれだった。 今回の騒動でも、混乱のさなか、突進する球児たちに怒鳴り声をあげて止めにかかった球児もいたという。有名人を前にした子どもたちが起こした集団パニックのようにも感じられるが、野球とスポーツを愛する者が一堂に会する場だけに、大会のイメージに傷をつけて欲しくはないものだ。今後も同種の始球式を行うのかどうか、行うとすればどのような運営・警備体制で臨むべきか、議論を重ねる必要がありそうだ。 (文・志和浩司)