「車輪をゴムタイヤに変えただけ」市民団体が決起集会 富士山の新交通システム「検証続ける」山梨
YBS山梨放送
山梨県が断念した「富士山登山鉄道構想」に反対する国中地域の市民団体が20日、甲州市で決起集会を開き、新たに示されたゴムタイヤ式の新交通システムについても「防災や採算性の問題は解決されていない」として、引き続き検証を求めていく考えを示しました。 決起集会を開いたのは峡東地域の住民らでつくる「富士山登山鉄道建設反対県民会議」です。 県はこれまで検討してきた富士山登山鉄道構想について地元の理解が得られないとして18日、レールを使う「鉄道方式」を断念し、代わりにゴムタイヤで走行する新交通システム「仮称・富士トラム」の導入を検討すると発表しました。 こうした中、開かれた決起集会では「富士山登山鉄道建設反対県民会議」の代表が県が示した新交通システムについて「火山防災の安全性や採算性が確保されたわけではない」などと指摘し、検証を続けていく必要があると呼びかけました。 富士山登山鉄道建設反対県民会議 飯島徳男代表 「車輪をゴムタイヤに取り替えただけの話。5合目にはそれなりの施設を作らなければならない。人命を大事にして、そういう施設を完備してから次に何をするのかというのが物事の順序」 また、来賓として出席した富士吉田市の堀内茂市長は、課題となっている富士山の来訪者管理には市が検証を進めている自動運転EVバスが最適だと主張しました。 富士吉田市 堀内茂市長 「(EVバスは)施設自体の今ある現状をなにも変えずにできる。CO2を排除する中でできる最も有効な手段であると考える。しっかりと比較をしてどちらか正しきものをやるべきである」 県の構想に反対してきた市民団体の中には、「鉄道方式」からゴムタイヤ式の新交通システムへの方針転換を評価する団体もありますが、「富士山登山鉄道建設反対県民会議」は県の動向を注視しながら、今後の活動について検討するとしています。