アートメディアの編集者+スタッフが選ぶ、この20年のベスト展覧会は?:TABスタッフ7人で語る座談会【後編】【Tokyo Art Beat 20周年特集】
これからのTokyo Art Beatはどうなる? どうする?
井嶋:では、最後にこれからに向けてひとことお願いします。 村上:名前の通り東京を中心に始まったTABですが、いまでは全国の情報を集めていて、開催中・開催前の情報は常時1000件以上掲載しています。年間では1万件近くになります。これからも、もっと気軽に全国から展覧会情報を載せてほしいとリクエストをもらって、それに応え、より広く使われるようにできるといいなと思います。 福島:編集部としては多角的に発信の仕方を広げていくというのと、これからの美術批評とどう向き合い、場を作っていくか、またアートの民主化ということを考えていきたいです。リアルなイベントももっとできたらいいですね。 田原:ちょうど今日、戦災で失われてしまった作品を、たった1枚だけ残された写真から最新技術でよみがえらせるという映像体験をしてきました。この20年間にTokyo Art Beatに掲載されてきたおよそ14万件の展覧会もインターネットの技術でかろうじて残されているとはいえ、その展示の様子や体験、反響など、どこまで当時のまま「正確」に記録されているんでしょうか。TABのスタッフでさえも振り返るのにも苦労したほど、アーカイヴとそこへのアクセスの課題は山積していますよね。 以前も話しましたが、ブロックバスター展など著作権や契約のために展覧会の特設ウェブサイトが残らなかったり、そもそもそうしたイベントがなかったことになってしまいかねないという状況をどうにかできないか。その課題も見据えて、さらなる英語での発信や他都市での展開など、次の20年間をやっていきたいですね。 井嶋:ありがとうございました!
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