北朝鮮が弾道ミサイル発射に失敗、極超音速滑空体搭載か-韓国軍分析
(ブルームバーグ): 北朝鮮は26日早朝、弾道ミサイル1発を発射したが、間もなく失敗した。北朝鮮による弾道ミサイル発射は、5月下旬に複数発の短距離弾道ミサイルを発射して以来初めて。米国とその同盟国を憂慮させたロシアとの「包括的戦略パートナーシップ条約」締結から約1週間後、武力の誇示を試みた。
韓国軍合同参謀本部は記者団へのメッセージで、ミサイルは26日午前5時30分ごろ(日本時間同じ)、平壌近郊から発射されたと明らかにした。米韓の情報当局が、より詳細な情報を得るために分析を行っているという。
北朝鮮が弾道ミサイル発射、既に日本のEEZ外に落下-防衛省
聯合ニュースは合同参謀本部関係者の話として、ミサイルは約250キロ飛行し、北朝鮮沿岸部の元山の東で空中爆発し、破片が数キロにわたって広がったと報じた。このミサイルは、迎撃を避けるために高速で機動するように設計された弾頭である極超音速滑空体を搭載していた可能性が高い。
北朝鮮はここ数年、金正恩朝鮮労働党総書記の下、核弾頭を搭載可能で、米国本土や同盟国の日本や韓国を攻撃できるよう造られた新しいロケットの数々を開発しており、ミサイル発射の失敗はほとんど回避してきた。一方、人工衛星を配備するためのロケットでは、最新の5月下旬の発射直後にロケットが炎上して分解するなど、挫折している。
26日のミサイル発射実験に先立ち、北朝鮮は米国が日韓を含めた合同訓練のため空母セオドア・ルーズベルトを朝鮮半島に派遣したことを非難し、報復を予告していた。
米国と日本、韓国は23日、ロシアと北朝鮮の軍事協力の深化を「可能な限り強い言葉」で非難し、重大な懸念であり安定への脅威だと表明した。米国務省が発表した共同声明によると、日米韓の北朝鮮担当高官は、ロシアのプーチン大統領と金正恩総書記が、攻撃を受けた際に互いに防衛することで合意した点に懸念を示した。
日米韓の当局者は、26日のミサイル発射直後にも電話協議を行った。