ENHYPENが並外れた“美”と“没入力”を見せつけた210分「ツアー初日、埼玉でいいスタートが切れました」
SUNGHOON「ENGENEのみなさんと素敵な思い出を一緒に作っていけるように」
マイクを手持ちからヘッドセットにチェンジし、「Go Big or Go Home」で最終セクションへのギアを踏み込む。もはやライブも終盤に差しかかっているというのに、7人にバテてる素振りは一切ない。ダンスブレイクでは、飛んで跳ねてステップを踏んで。前半と変わらぬ身軽さで魅せていく。 「Chaconne」の冒頭をNI-KIのソロダンスで封切ると、いよいよライブはラストスパート。色っぽい振り付けの「CRIMINAL LOVE」では、一つひとつのモーションに黄色い歓声が炸裂。SUNGHOONは艶っぽいオーラを放ち、表情だけでENGENEの心を射抜いていった。 本編の最後を飾るべく、導かれたのは『DARK BLOOD』のタイトルソングである「Bite Me [Japanese Ver.]」。締めのMCで「最後のステージでもENGENEのみなさんの熱い応援、楽しみにしています」と話すJAKEに触発されたのか、会場には歓呼の声が盛大に鳴り渡る。コール&レスポンスの息もぴったりで、ENHYPENとENGENEが心を通わせる美しいフィナーレとなった。 「321でENHYPENサランへと叫びましょう」と呼びかけるボードが映し出されると、特大の「サランへ」が会場を満たした。そして始まったアンコールでは、「Sweet Venom」「Orange Flower(You Complete Me)」「Karma」の3曲を披露。 最後のMCで、SUNGHOONは「『FATE PLUS』のツアー初日、埼玉でいいスタートが切れたような気がして、今とても穏やかな気持ちになっています。これからのツアーももっと一生懸命がんばって、ENGENEのみなさんと素敵な思い出を一緒に作っていけるようにがんばります」と語り、この日を晴れやかに振り返るとともに、ここから始まっていくツアーに向けて力強い決意を刻んだのだった。 * 個人やグループとしての成長を刻むとともに、磨き上げられたパフォーマンスの朽ちなさを体現していた『FATE PLUS』。かげりのない佇まいと一心不乱に曲を表現する力があれば、変わらぬ演目であっても、約3時間半という短くはない公演時間であっても、人を飽きさせることなく惹きつけ続けられる、そう物語っていたように思う。 日本でのツアーは、福岡・広島・愛知・宮城と続いていく。新たな地で、さらなる感動を巻き起こすであろう彼らのさらなる進化が楽しみだ。
文=坂井彩花