“50の幽霊”に埋め尽くされた驚きのダイバーズ登場!? 暗闇で進化を発揮する「ユーモラスな外見」に隠れた時計の歴史とは
●裏返せば血の滴るローター!
イタリア発ダイバーズの人気ブランド、スピニカーから登場したのは、フランス人アーティスト、ロマリック・アンドレよる時計デザインプロジェクト「セコンドセコンド」との遊び心あふれたコラボモデル。 【画像】暗闇以外ではどんな時計? スピニカー新作を写真で見る(19枚) ベースとなるのはアンティークなデザインが特徴の「フルース 40 オートマティック」ですが、コラボモデルではダイヤルに50ものファントム(幽霊)を描いたコミカルなもので、ゲームやポップアートのような雰囲気に思わず笑みがあふれるはず。
このファントムの数“50”が実はダイバーズウォッチの歴史を表しており、1932年に誕生した世界初のダイバーズウォッチの性能が“50ファゾムス(約91メートル)”だったことにちなんだもの。 ダイヤルには50ファゾムスならぬ、“50ファントムズ(50 Phantoms)”の文字を刻んで笑いを誘います。 2モデルのうち一本「ファントム クラシック」は、ダイヤル中央をぞろぞろと50のファントムがさまよう様子が描かれたもの。 これはプリントではなくモールド成形によって奥行きを感じさせる表現となっているだけでなく、ブルーまたはグリーンのスイスルミナスで発光するため、色の違いが生み出す立体感も見どころのひとつに。 もう一本「ファントム ノー アップ」は、ベゼルを一周ぐるりとファントムが並んだモデル。 50のファントムがきっちり50秒の位置まで並び、10時位置から12時位置はあえてブランクとなっているのもなんともユーモラス。 ダイヤル6時位置には「No Apparitions(幽霊禁止)」の文字とグラフィックが描かれますが、これはダイバーズウォッチ誕生間もない1960年代に、夜光に使われていた放射性物質が問題視されたエピソードにちなみ「No Radiations(放射線禁止)」を元ネタとするエスプリ。 ケースバックにもファントムが描かれ、さらに回転するローターには血がしたたるグラフィックを添えるというギョッとさせるようなユーモアも。 購入時には、ファントムの目が描かれた特製のキャップが付属し、なおかつ目の部分が夜光で発光(!)するという楽しい仕掛けが。専用BOXにも幽霊が夜光塗料で描かれており、発光を楽しむためのUVライトがわざわざ同梱するというこだわりよう。 こうしてダイバーズの人気ブランド、スピニカー本来のイメージをガラッと覆す楽しいデザインですが、ユーモアの裏にはダイバーズの歴史への敬意もしっかりと込められ、真面目な遊び心がうれしいコラボとなっています。 ●製品仕様 「PHANTOM CLASSIC(ファントム クラシック)」「PHANTOM NO APP(ファントム ノー アップ)」 ・価格(消費税込):8万4700円 ・ムーブメント:自動巻き MIYOTA 9039 ・風防:サファイアクリスタルレンズ(無反射コーティング) ・夜光:スイスルミナス(蓄光) ・ベゼル:逆回転防止ベゼル ・素材:ステンレススチール ・防水:150M防水 ・ケースサイズ:W40㎜×H40㎜ ・ストラップ:レザーストラップ/ラバーストラップ ・付属品:キャップ付き(蓄光)、スペシャルBOX(蓄光)
VAGUE編集部