小林製薬の廃止工場立ち入り 5人死亡、被害拡大受け
小林製薬の「紅こうじ」を使ったサプリメントを巡る健康被害問題で、大阪市と厚生労働省は30日午前、食品衛生法に基づき、原料を製造していた同社の大阪工場を立ち入り検査した。工場は昨年12月に廃止されたが、サプリを摂取したとみられる死亡例が計5人に上り、被害が拡大する状況を踏まえた。和歌山県にある移転先の工場も、県と厚労省が31日に検査する予定。 大阪市淀川区の工場には午前11時前、市と厚労省の担当者計十数人が入った。現地で記者団の取材に応じた小林製薬の担当者は「誠実に対応したい」と述べた。 本社のある大阪市は27日、自主回収対象3商品の回収を命じた。横山英幸市長を本部長とする対策本部を週明けに設置し、商品の回収や健康相談への対応を急ぐ構えだ。横山氏は本社への立ち入りについても「可能性は十分ある」としている。 小林製薬は29日の記者会見で、健康被害の原因として青カビ由来の天然化合物「プベルル酸」が影響した可能性があると説明。工場をはじめとする製造ラインを点検する方針を示している。