「福岡を盛り上げて」博多大吉が後押し 兄弟芸人サカイスト結成20年目の挑戦
20年目に出した答えは「福岡移籍」
コツコツと確立した芸風を武器にコンスタントに舞台の仕事は舞い込んでいる。芸人として仕事に困っている状況ではなかったが、今年8月、東京・神保町花月で行われたトークライブ「デンマークSP~兄弟から皆さんに重大発表があります~」で福岡吉本への移籍をファンに発表した。 「福岡で勝負してみないか」――そう背中を押したのは、先輩である博多大吉だ。 まさよしさんがプライベートでも交流のある大吉さんに芸人としての将来を相談していたときだったという。 まさよし:「福岡という街はどうだ、と。大吉さん曰く、福岡には15分以上の長尺で漫才ができる芸人が数少ない。福岡の芸人を引っ張って、福岡・九州を盛り上げてほしいと」 まさよしさんは「新たに勝負できる場があるなら」と前のめりだったが、今年1月に結婚したばかりのデンペーさんは二つ返事で引き受けるわけにはいかなかった。 2月に妻の妊娠が発覚し、いろいろ考えた。 「奥さんの顔見て、大きくなるお腹を見ていると3年後5年後、今の東京で育てられるかな」と、ふと思った。「今は東京の方が収入もあり、チャンスがある。でも3年後は福岡の方がチャンスがあるんじゃないかと」悩んで出した結論は、「行かずに3年後に後悔するより、行って後悔したい」だった。 「行かせてください」と妻と妻の両親に頭下げて、単身赴任でのスタートとなるが「かなりの覚悟で行くつもりです」と語る。 まさよし:「あの華大さんに声をかけてもらえたことで、やってきた20年が自信にもなった。声がかかったのが僕らじゃなかったら嫉妬していたと思う」 デンペー:「2択を間違えていくのも人生楽しいでしょ? 芸人という人生選んじゃったんで。間違いを成功に変えるのも面白いし、カッコイイ」 移籍発表後、東京、九州ともにファンの反応は温かいという。 デンペー:「発表した神保町花月では泣いてくれているファンもいた。悲しいけど、応援しますと言ってくれている。東京しか知らない僕らにとって、福岡は“地方”に行くのではなく、“上京”。漫才はもちろん、テレビ出演、華丸さんのように役者として博多座に出るなど、なんでも挑戦したい。そして、漫才ライブをして。東京での20年をぶつけたい。テレビで冠番組も持ちたい」 まさよし:「最近兄ちゃん、東京でのライブで毎回、冠番組持ったらゲストとして来てもらえますか?って交渉してるんです。今の所、かなりのビッグネームに交渉してるんで、本当に(番組を)持たせてもらえたら破格のギャラで大物が来てくれます」