【南海トラフ】地震発生の可能性の最新評価が発表『現在のところ相対的に高まったと考えられる特段の変化はない』南海トラフ地震は「30年以内に70%~80%」
南海トラフ巨大地震。その最新の発生確率は、10年以内に30%程度、30年以内に70%~80%。そして50年以内だと『90%程度もしくはそれ以上』とされています。昭和東南海地震・昭和南海地震の発生から約80年が経過していて、切迫性の高い状態となっています。 【画像を見る】全国の地震発生確率を図解 Sランク活断層の全てと、南海トラフを含む全海溝型地震を見る 気象庁は、南海トラフ周辺の地震活動や地殻変動等の状況を調べ、毎月、評価検討会や判定会を開催しています。2月7日、最新の評価が発表されました。 まず、最近の南海トラフ周辺の地殻活動については、『現在のところ、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていません』と評価しました。詳しく見ていきます。
【最新】地震の観測状況について
南海トラフ周辺では、特に目立った地震活動はなかったということです。いっぽう『プレート境界付近を震源とする微動』は、主に以下のものがありました。 ◎東海から紀伊半島中部 12月22日から1月6日 ◎四国中部 12月23日から1月2日 ◎四国東部 1月25日から継続中
【最新】地殻変動の観測状況と評価
・GPS観測で、2019年春から四国中部でそれまでと異なる傾向の地殻変動が観測されていましたが、『最近は鈍化したように見える』ということです。また、2022年初頭から、それまでの傾向とは異なる地殻変動が『静岡県西部から愛知県東部にかけて』観測されているということです。 評価:上記の地殻変動はそれぞれ四国中部周辺、渥美半島周辺のプレート境界深部における長期的ゆっくりすべりに起因すると推定。そのうち四国中部周辺の長期的ゆっくりすべりは、最近は鈍化。これらは従来から繰り返し観測されてきた現象と評価したということです。 ・GPS観測で、御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺では長期的な沈降傾向が継続しているということです。 評価:御前崎、潮岬及び室戸岬のそれぞれの周辺で見られる長期的な沈降傾向はフィリピン海プレートの沈み込みに伴うもので、傾向に大きな変化はないと評価 こうしたことから、『南海トラフ地震の想定震源域ではプレート境界の固着状況に特段の変化を示すようなデータは得られておらず、南海トラフ沿いの大規模地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない』と、判断したということです。