<WBC速報>キューバがデスパの逆転満塁弾で2次R進出!侍Jと14日に再戦
WBCの1次ラウンド、プールBのキューバ対豪州が10日、東京ドームで行われ、キューバが4-3で豪州を下した。1勝1敗同士の対戦で、勝者が2次ラウンドへ進出できる直接対決だったが、キューバが4大会連続で1次ラウンドを突破した。日本は14日に2次ラウンドでキューバと再び対戦することになった。1次ラウンドでは、日本が11-6でキューバを下しているが、終盤に中継ぎが崩れ、乱戦に持ち込まれそうになっていた。 キューバは、エースのブランコ、豪州は、タイガースでメジャー昇格経験のあるソーポルトを先発に立てた。両投手は走者を背負いながらも粘り強い無失点ピッチングで試合は進んだが、豪州が5回、先に均衡を破った。この回先頭の元ヤクルトのデニングが四球で歩き、一死から2番手、イエラの投球フォームを完全に盗んで二盗に成功。二死となったが、ウエードが三遊間に先制タイムリー。 1点を追うキューバは、5回二死満塁で今季からソフトバンクでプレーする前ロッテのデスパイネのレフトスタンド上段の柱にぶつける特大の逆転満塁本塁打が飛び出してゲームを4-1とひっくり返した。日本戦に続く大会2号。 キューバは7回にオールティエンに一発を浴び、8回には二死二塁からデニングにタイムリーを許して1点差にまで詰め寄られたが、なんとか継投でリードを守り切った。 試合後、豪州のディープル監督は、「勝負のあやは、あの1球、デスパイネに打たれた、あのミスだけだった」と悔やんだ。 ヒーローとなったデスパイネは、公式会見に呼ばれ「素晴らしい試合だった。勝利できたことを喜んでいる。第2ラウンドでも、このような試合を続けたい」と、淡々と語った。 WBCという大きな舞台で、2次ラウンド進出を決めた劇的なホームランとなったが、「アメリカで行われた大学選手権で打ったホームランも印象に残っている1本だが、チームを勝利に導くことのできた今日のホームランも、もうひとつの印象に残るものになった」と、喜びを噛み締めた。 チームでは、セペダと共にリーダー役を期待されていて、その役割を見事に果たした。 「リーダーは大きな責任。100パーセント集中して力を出すだけ。常にチームメイトをプッシュして応援するのが役目だと思っている」 また会見では海外のメディアから「多くの選手がメジャーリーグでプレーしているが、あなたはなぜキューバに残っているのか」というシビアな質問が飛んだ。 アブレイユやセスペデス、チャップマンらのメジャーリーガーは、危険を冒して亡命という手段を使ってアメリカに渡った。亡命により、ごっそりと主力の抜けたチームは一気に弱体化したという事情もある。 これに対してデスパイネは、「多くの選手がアメリカに行った。僕の友人もアメリカに行ってしまったが、アメリカで(活躍して)キューバ人の名を高めている。私は、キューバでプレーをしている。仲間と戦うことを喜んでいるんだ」と、「なぜ」という質問には明確には答えなかったが、亡命したプレーヤーを批判するようなこともしなかった。 8回の守備機会中に、首付近を手で抑えて異常を訴え、トレーナーが駆け寄るシーンもあったが、会見終了後、大きな問題ではなかったようだ。 「全力で戦う」と誓ったデスパイネが、2次ラウンドで日本の前に再び立ちふさがることになる。