はやぶさ2、人工クレーターを確認 JAXA会見(全文2完)人生最高の1日
クレーターが見えたときの様子は?
時事通信:あともう1点なんですが、これができて見えたということで歓声が上がったということなんですが、例えばそのときの様子というのは、モニターの前にみんな鈴なりになって集まるとか、どういった感じだったのかもうちょっと具体的に教えていただければと思います。 津田:そうですね、これはこういう画像が直接下りてくるモニターっていうのがちょっと奥まった場所にありまして、普段はみんながそこには集まらない場所ですが、この画像が下りてきたときにはそこに集まって、もう芋の子を洗うような状態でみんなで画像を見ました。画像も下りたばっかりだといろいろ処理を加えなければいけないんですが、それの画像処理にたけたメンバーがその場で画面の上でいろいろといじりながら、それをみんなで、いや、そこはもっとこっちを拡大してとか、色合いを変えろとか、いろんなことを言われながら比較して画像を見れるようになったと。もうそれが明らかに、まさにこういう画像ですね、今日、5ページでお見せしるような画像ですけども、こういう画像が見えたときに、おお、という歓声が上がって、拍手も起こりました。 司会:そろそろお時間ですので、あと1、2問ですが。では一番前の方。
林:ライターの林と申します。津田さんと荒川先生に1つずつお伺いしたいんですが、この画像についてもう少し詳しくお伺いしたいんですけども、先ほど津田さんが、着陸するとしたらさらさらの領域とおっしゃったのは、この図の中のどの辺りですか。このちょっと左上の辺りのボルダーがなさそうな、この領域のことを指していらっしゃるんでしょうか。 男性:何ページの図ですか。 林:5ページの拡大画像です。 津田:ちょっとじゃあ、あとから荒川先生がどこに降りたいかを言っていただきますけど、私からは、ちょっと今日の段階では、一般論として、まず「はやぶさ2」が安全に着陸できる領域である必要があるので、そういう意味でさらさらな地形を探さなきゃいけないということを申し上げました。この地形上から、これはわれわれ何回も、1回目のタッチダウンのときにも痛い目に遭っているんですけれども、きちんとした解像度で見ると、さらさらに見えるようなところでも実はでこぼこだったということもありますので、これは今後調べていきたいと思います。だから今日の時点でここが狙い目かなというところは、すいません、ちょっとまだ言えない状況です。 林:では荒川先生にお伺いしたいんですけれども、4月5日の衝突実験直後の記者会見で、イジェクタカーテンが左右非対称で、カーテンが出ていないほうは大きなボルダーに妨げられているのではないかという推察というか、おっしゃいました。この画像からそのボルダーのようなものっていうのは認識されますか。 荒川:その方向が、どっち方向にイジェクタが出ていたっていうのが今すぐに思い出せないのですけれども、このクレーターの形状を見ますと、変化している領域の中央部分にかなり大きなボルダーが2つぐらいあって、何かしらその間ぐらいにぶつかったと推測するならば、このボルダーがイジェクタの放出を妨げた可能性はあるなというのが個人的な印象です。 林:この真ん中の下のところにある辺りの大きなボルダーですか。 荒川:それはあんまり特定しないでください。 林:分かりました。この周りを囲んでいるものですね。それともう1つなんですけれども、先ほど10メートルという、地形変化の10メートルというのは事前の室内実験の経過から、砂の層に当たった場合の最大径であると考えていたけれども、そのぐらいの地形変化が認められたというようなことをおっしゃっていたと思うんですけれども、クレーターの径の大きさの解析はこれからだということなんですが、またその4月5日のときには、たぶん10メートルはなくて5メートル、ボルダーの動きにもよるけれども10メートル以下5メートルぐらいの間じゃないかとおっしゃっていたような気がするんですけれども、それより大きい10メートル近くのクレーターであると希望できそうな感触なのかというご意見をちょっとお伺いしていいでしょうか。申し訳ありません。 荒川:サイズに関してはちょっとまだはっきりと言えないので。ただ、私が思っていたよりも大きいなという印象ですね。 林:分かりました。ありがとうございます。 司会:ではすいません、お時間過ぎておりますので、本日の記者説明会はこれで終了したいと思います。本日はお越しいただきまして誠にありがとうございました。 (完)【書き起こし】はやぶさ2、人工クレーターを確認 JAXA会見