サムスンとSK、2年間で「半導体脱中国」着々…問題は米国の補助金(2)
これに対し、この期間にサムスン電子の米国内非流動資産は15兆1671億ウォンから24兆3779億ウォンに61%増え、全体で占める割合も7.8%から11.2%に拡大した。米テキサス州テイラー工場に対する米国政府のCHIPS法補助金が支給されればこの割合はさらに大きくなる見通しだ。 サムスン電子の悩みは全社売り上げの30%が中国で出るということだ。サムスン電子は半導体地域別売り上げを公開していないが、中国でのスマートフォンと家電の売り上げは大きくなく、中国売り上げの大部分が半導体とされている。7-9月期の同社の中国売り上げは17兆822億ウォン、半導体部門の売り上げは29兆2700億ウォンだった。中国売り上げがすべて半導体ならば中国の割合が半導体売り上げの58%以上という意味だ。 サムスン電子の中国売り上げは昨年10-12月期から米国売り上げを超えた、4-6月期には全売り上げの33%を占めた。昨年末から中国が米国の規制が強まるのに備えサムスン電子のメモリーを大量購入した影響という。しかしCXMTなど中国のメモリー企業が旧型メモリーから早く技術自立を成し遂げており、サムスンとSKハイニックスとも最近の業績発表でこれをリスク要素と言及している。これに加え米国のHBM対中輸出制限措置が施行されるならば、サムスンの立つ場所はさらに狭まりかねない。旧型メモリーは中国企業に押され、旧世代HBMは対中制裁で中国に売ることができないためだ。サムスン電子が北米のテック企業に最新HBMを納品することに死活を懸けている背景だ。 ◇米工場に速度出すTSMC、インテルより先に補助金確保 米ホワイトハウスは15日、ファウンドリー(半導体委託生産)企業TSMCに66億ドルの補助金支給を確定したと発表した。バイデン政権で半導体補助金を約束された企業がバイデン大統領の任期中に補助金を受けようと水面下で作業を始めたが、台湾企業TSMCが米企業インテルより先に補助金を確保したのだ。これまで「米国での生産は効率が落ちる」として微温的態度に出ていたTSMCが今年に入りアリゾナ工場稼動にスピードを出した戦略が有効だったというのが業界の評価だ。 台湾経済日報など現地メディアによると、TSMCは12月6日に予定していた米アリゾナ工場完工式をひとまず中止し、行事をトランプ氏が大統領に就任する来年1月20日以後に先送りすることにした。バイデン大統領とトランプ氏をともに招待するというこれまでの計画から、トランプ大統領の政策を確認した上で新大統領だけを主人公にする行事を行う側に変更したという。