「私は共謀していません」「無罪です」現場におらず強盗致死の罪に問われた女 初公判で20年来の知人の女との共謀を否認 福岡地裁小倉支部
FBS福岡放送
2023年6月、福岡県水巻町で知人の女と共謀し、女の姉を死亡させ通帳を奪ったとして強盗致死などの罪に問われている女の裁判員裁判が14日、開かれました。女は強盗致死の罪について「私は共謀していません」「無罪です」と話し、起訴内容を否認しました。
殺意はなかったとして強盗致死の罪で起訴
強盗致死などの罪に問われているのは、北九州市小倉北区の無職、岡村恵美被告(48)です。 岡村被告は2023年6月、「20年来の知人」とされる無職の辻和美被告(52)と共謀し、辻被告の当時52歳の姉、つぐみさんに催涙スプレーを噴射して首を圧迫して死亡させ、通帳を奪い、現金を引き出した罪に問われています。 辻被告はすでに強盗殺人の罪で1審で無期懲役の判決を受け、控訴しています。 岡村被告は道具の準備や姉の家などへの送迎を担当したとされますが、現場にはおらず、殺意はなかったとして、強盗致死の罪で起訴されています。
知人の女による殺害は判決ですでに認定
岡村被告の「20年来の知人」、辻被告は自身の裁判で殺害を否定し、弁護側は「殺害の動機はない」と主張し強盗罪にとどまるとして、懲役5年が相当としていました。しかし、判決では殺害を認定しました。 事件の動機と経緯については、金に困っていた岡村被告一家に融通するため、岡村被告とともに、不正に入手した健康保険証で貸金業者から金を借りようとして失敗し、姉から金を借り、対応によっては催涙スプレーを使って金目のものを奪おうとして結局、姉を殺害したとしました。 道具を準備したり、姉の家への送迎について岡村被告と打ち合わせをした上、首を強い力で数分間にわたり圧迫して殺害したとして、計画的で執ようで残虐だと指摘しました。 一方、弁護側は辻被告が岡村被告に搾取され、利用されていた「被害者的な立場」にあったことが考慮されるべきと主張していました。 これについて、判決では、辻被告は職場で知り合った岡村被告に20年間にわたって計5800万円余りを送金していて、今回の事件が岡村被告一家に金を融通するために行われたことに照らせば、岡村被告の存在が事件に与えた影響は否定できないとしました。 ただ、岡村被告から脅されていたわけではなく、自らの意思でつきあいやホームレス生活を続け、借金や家族の問題から逃避していたことがうかがわれるとして、服従を余儀なくされる立場にあったとは言えず、量刑に特段、有利に考慮すべき理由は見いだせないとして、求刑通り無期懲役の判決を言い渡しました。
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