登録者170万人も…YouTuberから俳優に転身 カルマが語る“俳優業の勝算”と“活動の裏側”
2024年9月からABEMAにて、放送中の結婚決断リアリティ番組『さよならプロポーズ via ギリシャ』(以下、さよプロ)。結婚に踏み出せない2組のカップルが、7日間の旅の終わりまでに「結婚」か「別れ」を決断する姿を追う。 【写真】カルマの撮り下ろしカット 第4話からはスタジオゲストとして、YouTuberから俳優へと転身を果たした、カルマが出演。“未婚ならでは”の視点で、ときにスタジオゲストや視聴者をさせるハッとさせる発言も目立つカルマ。今回はベールに包まれた結婚観や、20代後半ならではの赤裸々な恋愛観について語ってもらった。 ・28歳、カルマの結婚観 「夢物語ではなく、現実的に考える歳に」 ーー今回、見届け人として4話からご出演されましたが、出演が決まったときはどんな気持ちでしたか? カルマ:未婚の僕にお話が来たことに驚きました(笑)。結婚を経験したことがないのに、結婚するか否かを決める番組でコメントして大丈夫なのかな……と少し不安がありましたね。 ーー実際に出演してみて、どうでしたか? カルマ:思ったことを言ってくださいとのことだったので、僕なりに感じたことをお話しさせていただきました。でも結婚観はまだ難しくて、僕自身も探っているところです。だから、今回出演していた2組のカップルには学ばせてもらうことが多かったですね。僕にとっても、結婚をよりリアルに考えるいい機会だったなと思います。 ーー『さよプロ』では、結婚を決断するカップルの様子をリアルに捉えていましたね。 カルマ:いやぁ……。かなりリアルだったんじゃないかと思います。結婚を決断するって本当に大変なことなんだなと改めて感じました。正直、見てるだけでお腹いっぱいになって、ちょっとだけ結婚って大変なのかも……と思ってしまうくらい(笑)。でもそれだけ本音で向き合うって大変なことだし、同時に必要なことなんだと勉強になりましたね。 ーーカルマさんは今年28歳ですが、結婚についてはどう考えていますか? カルマ:最近、徐々に結婚願望が出てきたなと思います。いますぐしたいというわけではないですけど、周りの同年代がちらほら結婚してきたというのもあって、夢物語ではなく、わりと現実的に考える歳にはなってきたかなと。 昔に比べていまは結婚に対する考え方も少しずつ変わってきたし、歳上の方たちが言っていたことがちょっとずつ理解できるようにもなってきました。僕も日々に大人になっていっているので(笑)。 ーー以前より結婚を身近に感じるようになってきたんですね。 カルマ:そうですね。でも、結婚する意味が見出せていないのであれば、無理にする必要もないのかなとも思います。「この人とだったら結婚したい」と感じたら、結婚すればいいと思うし。“結婚”をしなきゃ、とは思っていないですね。今回『さよプロ』を見ていても、「結婚が目的になってない?」と感じる場面がときどきあって。手段と目的が逆転してしまっているような。 結婚が先行してしまうのは、相手がどこかに行ってしまうのではないかと心配する気持ちの表れでもあると思うので、結婚はある意味信用を担保する“通行手形”のようなものなのかもしれませんね。もちろん、それだけが結婚の意味ではないとは思いますけど。でもそういった理由で結婚することもいけないことではないと思うし、一つのちゃんとした意見になってるんだろうなとも思います。 ーーカルマさん自身は、結婚する意味についてはどのように考えていますか? カルマ:恋愛観や結婚観は、昔の経験を経て少しずつ変化しているので、まだなんとも言えませんね……。ただ、いまは昔よりもいろんなことを考えるようになりました。むしろちょっと考えすぎのような気もするので、もう少し楽観的でいたいなとは思いますね……(笑)。 ・パートナーに違和感を感じてしまう瞬間は? ーー今回はカップルの“愛情表現のずれ”から、すれ違いが起きる場面もありました。カルマさんはパートナーに対して、愛情表現をきちんとするタイプですか? カルマ:愛情表現はわかりやすくするタイプです。家のなかではたくさんスキンシップをしますし、ハグも全然しちゃいます。 ーー逆に、相手に対して「ん?」と思うところがあった場合はどう伝えますか? カルマ:えー! どうなんだろう……。その場では言わないかもしれません。顔には出ちゃってるかもしれませんけど(笑)。 ーーその場で言わないのには、理由があるんですか? カルマ:一回時間を置いて、自分のなかで消化できるかどうか試しますね。それで忘れてしまったらその程度のことだったんだと思うし。それでも気になるようだったら、話し合います。無理に自分のなかで受け流すことはしないですね。逆に僕も相手に気づかされることがあったら、ちゃんと話し合いたいです。 ーー『さよプロ』では、モナさん(女性)の悩みに対して、アオイさん(男性)が合理的なアドバイスをしてしまうことが喧嘩の火種になることがありました。アオイさんは合理的にアドバイスをするタイプのようでしたが、カルマさんは相手からの相談に対してどのように向き合いますか? カルマ:合理的に返してしまうのはめちゃくちゃわかります……! 僕もそういうタイプなので。ただ、そもそも相手にアドバイス自体、あまりしないですね。僕はやりたいことや夢は、あまり言う必要がないかなと思っているんです。結果で示せばいいから、わざわざ言う必要がないかなって。自分のなかに留めておけばいいと思っています。 だから、「ああしたいんだよね、こうしたいんだよね」と言っている人を見ると、言ってるならもう動けるじゃん? って思ってしまうんです。行動はしないのに挑戦ばかりしたがる人を見ていると、ちょっと信用がなくなってしまうかも……(笑)。相手の願望を軽い感じで聞いてしまう僕にも責任があるのかもしれないですけど、ベースがそういう人はちょっと違和感を感じてしまいますね。 ・演技でも活かされる“登録者170万人YouTuberの嗅覚” ーーここからはカルマさんの現在のご活動についてお伺いします。YouTuberから俳優へと、異色の転身を遂げましたね。 カルマ:俳優はYouTubeを始める前から目指していて、YouTubeはその夢を叶えるための手段だったんです。16歳のときに上京してきたんですけど、そのころからいまのような活動をするのが夢だったので。結果、10年以上とめちゃくちゃ時間をかけて、ようやく夢が叶いました。改めて振り返ると長かったですね……。 ーー俳優業は10年越しの夢だったのですね。そんなに昔から人生設計をしていたのは驚きです。 カルマ:僕の人生は某CMくらい計画的かもしれません(笑)。「ご利用は計画的に!」ってね(笑)。そのなかでも細かい変更だったり、臨機応変に対応しないといけなかったりはしましたが、大枠の骨組みは変わっていません。こういう建物(俳優業)を作るんだと決めて、作り方や材料は変えたけど、目的自体は変わっていなかったと思います。 ーー戦略とはいえ、実際にYouTubeでは開始1年で100万人を突破するなど、しっかりと成功して結果を残しているのはすごいですね。 カルマ:YouTubeもガッツリと労力をかけていたので、爪痕は残せたのかなと思っています。YouTuberとして俳優をするつもりはなくて、完全にこっちに移行して活動する覚悟でYouTubeも始めたので、俳優の経歴としては珍しいかもしれませんね。なんの武器も持っていない状態で挑戦するのではなくて、誰もがわかる“100万人”という名刺が欲しかったんです。 ーーYouTuberは、完全に引退をしたということでしょうか? カルマ:完全に引退しました。肩書に“YouTuber”があると、どうしても動画を定期的に上げることが使命になってしまうので。今後もしなにか上げたい動画があれば投稿するかもしれませんが、定期的に動画を上げるというマインドではありませんね。 俳優業とYouTuberって、絶対両立できないと思っているんです。そもそも僕の性格上、マルチタスクが得意な方じゃないというのもありますけど(笑)。でもYouTubeはえげつなく労力がかかるものだし、本当に大変なので、両立は難しいと思っています。 ーーYouTubeの活動が、現在の俳優業に活きている瞬間はありますか? カルマ:めちゃくちゃあります! YouTubeは動画を全部自分で作ってきたので、見せ方に自分なりの“物差し”があるんです。それが強いなと思いますね。 ーー“物差し”とは? カルマ:自分の見せ方もそうだし、いま監督がどんなものを撮りたいのか、どういう展開にしたいのか、どんなスピード感で見せたいのか、どんな仕上がりにしたいのかなどを、自然と汲み取ろうとしています。それが正解かどうかは相手に直接聞いてみないとわからないことではあるんですけど、作り手側の気持ちにもなれるというか。演者だけの視野で見ていないことが多いですね。 ーーたしかに、YouTubeでは映像作りのすべてをひとりで行っていたんですもんね。 カルマ:企画、演者、編集、構図までひとりで請け負っていましたから。本当に欲しかったのはカメラを持ってくれる手だけです(笑)。だから右も左も分からない素人の状態よりかは、現場の皆さんの苦悩も理解できますし、YouTuberならではの視野は強みになっているなと感じます。 ーー俳優とYouTube、媒体は違えど同じ映像作品ですもんね。 カルマ:YouTubeで得た経験をほかの場所でアウトプットするかどうかは、本人次第ですけどね。アウトプットできるのも才能だと思うし、できない人も全然いると思います。なぜいまここに立っているのか、なぜいまこういう展開になっているのか、なぜこの状況なのかということを考えられる広い視野を持っていると、息の長さも変わってくるのかなと思いますね。 あとは作品を通して、どのようにプロモーションされるのかも考えています。ドラマの現場で、SNSの出し方についてプロデューサーさんと話し合って決めることもありますし、「あ、ここ切り抜かれそうだな」と考えながら演じているときもあります。そういう部分はとくにYouTubeをやってきた経験が活きているなと実感しますね。いま行っている活動はすべて営業だと思っているので。ネットニュースが出るタイミングや、それに合わせて取材を組んだりとか、それが当たるのか当たらないのか……。 ーーそこまで考えているとは、驚きです。 カルマ:俳優ならより芸に長けるように、演技に集中して時間を割くのが普通じゃないですか。それがお仕事なので。でもいまの時代って、芸能人でも自己プロデュース能力が必要なんだと思うんです。現に、僕たちみたいな存在が台頭してき始めているわけだし。 ーーまさか、そこまで想定した上でYouTube活動をしていたのでしょうか……? カルマ:いやいや! さすがにそこまでは想定していないです(笑)。YouTubeは、シンプルに多くの人に僕のことを知ってもらうために始めたことなので。でも、俳優をする上でこの経験が活きていることは間違いないですね。 ーーそんな唯一無二の俳優になりつつあるカルマさんですが、今後挑戦してみたい役などはありますか? カルマ:ありがたいことに、お話をいただくのは普通の役じゃないことが多いんですよね(笑)。『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』ではフリーの殺し屋仲介人、『伝説の頭 翔』ではマフィアのボスでしたから。なんかちょっとぶっ飛んだ役が多いんです(笑)。だから、逆に普通の役もやってみたいですね。普通の男性の普通の恋愛ものとか。 ーータレント活動にも今後は挑戦していくのでしょうか? カルマ:挑戦していきたいですね! 昔はバラエティ番組が怖くてお断りしていたときもあったのですが……。 ーーそうなんですか? カルマ:怖いというか、YouTuberという肩書のままバラエティ番組に出てしまうのは、絶対良くないと思っていたんです。YouTubeの延長線上になってしまう気がして。だからYouTuberをしていたときは、YouTubeだけって決めていたんです。でもいまこうして俳優として認知していただけるようになったので、俳優を軸にいろんなことに挑戦したいですね。 いまは活動の間口を広げているところなので。お芝居ももちろん大事ですが、マーケティングの面にも力を入れていきたいです。いつか「カルマが出ているならこの作品見てみようかな」と思ってもらえるような俳優にならなければいけないので。そうなると、作品以外のことも頑張っていかないと。最終的に評価をするのって一般の方なので、演技力と同じくらい、知ってもらうことも大事だと僕は思っています。 とはいえ、まだまだ挑戦をし始めたばかりのプレイヤーなので、今後はより多くの人にみていただけるようにいろんな活動に挑戦していきたいですね!
はるまきもえ