ロッテ・カイケル「長いイニングを投げられるように」、「低めに集めてゴロを打たせる」今夜も持ち味発揮だ!
メジャー通算103勝を挙げ、アストロズ時代の15年にはサイ・ヤング賞を受賞したことのあるロッテのダラス・カイケルは、速い球ではなくコントロールを重視し、ツーシーム、チェンジアップを中心に打者を打ち取っていく投球スタイルだ。 制球力に自信を持つカイケルだが、前回来日初勝利を手にした9月5日の楽天戦、先頭の小郷裕哉、小深田大翔を連続で三振に仕留めるも、小郷と小深田ともに3ボールまでいき、先頭の小郷には初球から3球連続でボール、3番・辰己涼介には四球を与えた。ただ、ボールは全て低めに集められていた。 初回にどこまで相手打者が低め打者を振るのか、その日のストライクゾーンなどを確認していたのだろうかーー。 「確認というか、僕のスタイルは低めにボールを集めるわけですから、頭の中には低めに集めてゴロを打たせる。そういうピッチングスタイルなので、はい」。 楽天戦の投球については、「5回で終わったんですけど、もっともっと長いイニングを投げるといった時には注意深く、四球の数を多くしないように。3つの四球もあの時はコントロールが悪くて、ストライクが投げられなかったという結果でしたね」と振り返った。 反省の投球も、1-1の3回二死二、三塁で阿部寿樹を1ボールからの2球目128キロチェンジアップで完全にタイミングを外し一ゴロ、3-1の4回二死一塁で村林一輝を2ボール2ストライクからの6球目の126キロチェンジアップで泳がせる遊ゴロと、チェンジアップで右打者を翻弄。 「チェンジアップに限らず、スライダーも武器なので、まっすぐがコントロールされていいまっすぐがきた時にチェンジアップが有効なボールになる。もっともっと精度をあげて、あの時は打ち取ったのは良かったと思います」。 ◆ 直近2試合は本拠地ZOZOマリンでのマウンド 18時から行われるオリックス戦は京セラD大阪ドームでのマウンドだが、その前の2試合は本拠地・ZOZOマリンスタジアムでの登板だった。マリン特有の風による投球の影響はあったのだろうかーー。 「そんなに影響というのはなかったんですけど、試合前に風が案外吹いていて、試合が始まってから少し弱まった部分があるので、そこら辺は風がある日、風がない日、関係なく自分でしっかり対応していいピッチングをしなくちゃいけないなと思っています」。 カイケルが3つのアウトを取りベンチに戻った時に、大下誠一郎をはじめ控えの野手たちがベンチ前でハイタッチをする。「日本独特の迎え入れてくれる習慣かもしれないですけど、最初はそうなんだという感じで、みんなが自分のピッチングにナイスピッチングと迎え入れてくれたら、本当にありがたく思っています」。 カイケルは京セラドーム大阪でのオリックス戦の先発は2度目となる。「相手も研究してくる。しっかりと対策を立てて、自分の持ってるボールをコントロールよく投げ分けて、5回以上は長いイニングをしっかり投げられるように準備していきたい」。今夜も打たせて取る投球で、チームを勝利に導く。 (ダラス・カイケル投手通訳=千葉ロッテマリーンズ・矢嶋隆文通訳) 取材・文=岩下雄太
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