ヤシの実に願い託して 100個を黒潮に投流 愛知から38人来島
島崎藤村が詠んだ「椰子の実」の一節「名も知らぬ遠き島」を石垣島に見立て、石垣島沖から黒潮の海流に乗せてヤシの実を流す「愛のココナッツメッセージ・Part37やしの実投流」(主催・渥美半島観光ビューロー)が8日午後、石垣島沖で行われた。愛知県田原市から総勢38人が来島し、八重山の人達と共にヤシの実を投流して交流を深めた。 参加者らはユーグレナ石垣港離島ターミナルに集合後、用意されたチャーター便に乗り込み、3、40分ほど石垣島の北西ヘ進んだ。黒潮の潮流場所までたどり着くと、渥美半島に届くようにと願いを込め「せーの」の掛け声で、識別プレートのついた100個のヤシの実を一斉に投げ入れた。 流したヤシの実は鹿児島県以北で漂着して拾われると、発見者と投入者の数組が毎年4月の第1週に、同ビューローより愛知県田原市の伊良湖岬へ招待され、感動的な出合いが生まれている。 渥美半島観光ビューローの彦坂真事務次長は「参加者の半分以上は毎年楽しみに参加しているメンバーで、初めての人もとても感動していて満足してもらえたと思う。それぞれ自分の投げたヤシの実が届くように願いを込められた」と話した。 石垣市観光交流協会によると、今年分を含め3831個のヤシの実が投げ入れられ、そのうち156個が漂着。渥美半島には4個がたどり着いている。南は鹿児島、北は山形で発見されている。 渥美半島からのツアー参加者は9日の海神祭(ハーリー)などを見学し、10日に戻る予定という。