横浜高・1年生右腕の織田翔希、2安打完封 憧れは松坂大輔氏/神宮大会
明治神宮野球大会第2日(21日、明徳義塾0-2横浜、神宮)高校の部の準々決勝は横浜(関東)と敦賀気比(北信越)が勝ち、4強入りした。横浜は2―0で明徳義塾(四国)を下し、1年生右腕の織田翔希投手が2安打完封。敦賀気比は11―5で沖縄尚学(九州)に打ち勝った。大学の部の1回戦は環太平洋大(中国・四国)が3―0で名城大(愛知・北陸・東海)を破った。 大会屈指の好カードとされた名門校同士の対決。小雨の降る神宮に足を運んだ野球ファンの視線を集めたのは、鮮烈な全国デビューを果たした1年生だった。横浜・織田が126球、2安打無失点。気迫の完封劇で3000人の観客を魅了した。 「あまり(球が)指にかかっていなくて、感覚的にもよくなかった。結果がついてきたのでよかった」 試合巧者の明徳義塾打線にも動じることはなかった。この日最速145キロを記録した直球とスライダーなどの緩急を効果的に使い、打者に的を絞らせなかった。 福岡・北九州市出身の16歳。〝平成の怪物〟と呼ばれた松坂大輔氏の横浜高時代の投球に憧れ、「松坂さんみたいな選手になりたい。自分もこの舞台で投げたい」。迷わずに全国屈指の強豪校、横浜の門をたたいた。 1997年の第28回大会に2年生で出場した松坂氏。1試合14奪三振の大会記録を作るなど同校初の優勝に貢献したが、完封勝利はなかった。「やってやるという気持ちで投げた。結果につながったのでうれしかった」と笑った。 松坂世代の横浜ナインは、97年に神宮大会を制し、翌98年に甲子園春夏連覇を果たした。あれから26年。織田をはじめ、エースの奥村頼、1番の阿部、4番の小野と、投打で全国トップクラスの選手が揃う今季のチームは公式戦13連勝。松坂氏を擁した97~98年以来となる、秋の神宮大会優勝と甲子園春夏連覇を目指す。村田監督は「(全国の舞台で)ここから全勝すること」と高みを見据える。 「次も、一戦必勝で勝って決勝に駒を進められたら」と織田。大先輩が成し遂げた偉業の再現へ。スーパー1年生が強い横浜の象徴となる。(児嶋基)