志望大学には偏差値20足りず、塾にも行けない…教育系YouTuber・葉一が見せた「逆転劇」
「教育系ユーチューバー」の草分け的存在として知られる葉一さん(39)。高2の冬、教師を志し、東京学芸大学を受験しようと決めるが……。当時の実力は到底合格など望めないレベルだった。(読売中高生新聞編集室 塩島祐子)
偏差値が足りない!
「志望校を決めはしたものの、偏差値が約20も足りません。それに、家計を考えると、親に金銭的な負担をかけるのは難しい。だから、塾には通わず、学校の授業と自宅学習で合格を目指すことにしました。
1年後の大学入試センター試験(現在の大学入学共通テスト)で良い点を取るにはどうすればいいかを考え、まずは勉強の計画を立てました。『4月は英単語の復習、語彙(ごい)力を上げる』といった具合に、約1年分のざっくりとしたスケジュールを組みました。
授業中は必死にノートをとって、自宅では授業の復習と参考書の問題を解く日々。少しでも成績を上げようと睡眠時間を削り、1日3時間くらいしか寝ていなかったですね。でも、最初の数か月は思ったような成果にはつながりませんでした」
なかなか成績が伸びない葉一さんは、優秀な同級生たちに勉強方法を尋(たず)ねてみたという。
「高3の時は国立理系を目指すクラスにいて、優秀な友人が多かったんです。話を聞いて驚いたのは、勉強ばかりに時間をとられていないことでした。
後に北海道大学に進んだ友人は、なんと登校前と放課後に大好きな釣りに出かけていました。彼には『授業中に教わった内容を覚えれば、家でやることが減るじゃん』と言われて。睡眠時間を削ることについても『翌日眠くなって、効率悪くない?』と……。
そこから意識が変わりました。それまで以上に集中して授業を受け、ポイントを暗記するようにしました。以前は自宅で復習してから問題を解いていましたが、公式などのポイントを暗記しているため、問題演習からスタートできるようになりました。
睡眠時間も6~7時間は確保するよう心がけました。そうすると、頭がすごくスッキリして、効率よく学習を進められるようになりました。友人には『睡眠時間を削るより、起きている時間をどう使うかの方が大事だ』と言われたのですが、本当にその通りだったと思います」