「これほど広範囲で見つかるとは」 中国原産の「ガ」の幼虫大発生 越冬困難なはずが…河川敷の木に繭がいくつも 温暖化の影響か
県内ではこんな虫も繁殖
2008年に県内で初めて岡谷市で見つかった北米原産の「プラタナスグンバイ」は、街路樹に多いプラタナスに寄生し、葉の変色を招く害虫だ。汁を吸われた葉は表が白く脱色し、樹勢が衰え、景観を損ねる恐れがある。発生が多いと樹木全体に被害が拡大するが「学校の周りなど、どこにでも普通に見られるようになった」(那須野さん)という。
安曇野市では世界的に珍しい現象も
松の生育に影響を与えるとされる北米原産の「マツヘリカメムシ」も10年に佐久市で確認されて以降、県内で急速に生息域を広げている。以前は県内ではあまり見られなかった「ナナフシモドキ」は17年に安曇野市などで大発生し、世界的に珍しいと紹介された。
在来種への影響懸念
かつて県南部で冬を越していた「ウラギンシジミ」は今は中信地方でも越冬し、春先に見られるようになった。環境省が特定外来生物に指定する中国原産のチョウ「アカボシゴマダラ」は1990年代に関東に持ち込まれた。県内では2014年に北佐久郡軽井沢町で初確認された後、各地で定着しつつあり、幼虫の餌が競合する在来種への影響が懸念されている。
井口賢太