オセールがフランス2部優勝。オナイウ阿道が立役者に
昇格のラストピースになったオナイウ
主力の放出は最小限に抑えたオセールだったが、降格の原因となっていたチームの最多得点が5点という貧弱な攻撃陣には大きな課題を抱えていた。2023年夏にはCFを全員放出。新加入としてブレシアから下部組織出身のFWフロリアン・アイエが復帰したが、前線の迫力不足は懸念材料になっていた。 8月28日、オセールはトゥールーズから、元日本代表FWオナイウ阿道を70万ユーロ(約1億2000万円)で獲得した。2023-24シーズンの開幕3試合はベンチ外になり、トゥールーズで構想外になっていたオナイウは、クラブ史上初の日本人選手としてオセールで再起を図ることになった。 シーズン途中に加入したオナイウ。[4-2-3-1]を採用しているオセールは、開幕当初からアイエが1トップに定着し、トップ下のアンがゴールを量産しており、序盤から上位争いを演じていたため、加入当初は途中出場での起用が多かった。 転機が訪れたのは第14節のサンテティエンヌ戦。2連敗中のオセールは、3試合ぶりにオナイウが左WGで先発出場すると、ハットトリックの活躍で5-2で勝利。昇格候補のライバルであるサンテティエンヌ相手の大活躍で信頼を得たオナイウは、左WGのレギュラーに定着し、左サイドから中央に侵入する動きからゴールを量産した。 守備的な戦術を徹底していた昨季と一転、アイエ、アン、オナイウの3人がゴールを量産する攻撃的なフットボールを展開した。中盤戦まではアンジェとのデッドヒートが続いたが、第25節に首位に立つと、そのまま最終節まで首位を明け渡すことなく、リーグ2優勝を果たし、1年での復帰を果たした。戦術変更により爆発的な得点力を手に入れ、リーグ最多の72得点を奪ったオセールを率いたペリシエは、リーグ2最優秀監督に選出された。 オナイウは、最終節のコンカルノー戦でもハットトリックを達成し、リーグ2位の15得点と海外移籍後ではキャリアハイの記録を残した。優勝に貢献したオナイウは、2シーズンぶりのリーグ1での飛躍が期待される。