『グレムリン』ギズモの“もふもふ”を、力いっぱい抱きしめたい!【豆魚雷の「遊星からの物欲X」】
洋画やアメコミのグッズを多数取り扱うことで、映画ファンにお馴染みのキャラクターショップ「豆魚雷」のスタッフが、ホラーキャラクター&グッズへのアツい愛を叫ぶ連載「遊星からの物欲X」。第7回は、今年公開40周年を迎えた『グレムリン』(84)からギズモが登場!いまなおグッズが発売されるなど、親子二代の長きにわたって愛され続けるキュートな魅力を、偏愛タップリに語ってもらった。 【写真を見る】ギズモのかわいさを完全再現!こだわり抜いたアイテムの数々をドドンと紹介 ■クリスマスといえばもちろん… みなさんこんばんは!かわいいもの大好き、サムゲタン市川です。もう年末ですが、12月のイベントといえばクリスマス、クリスマスと言えば『グレムリン』、『グレムリン』と言ったらギズモです!誰もが否応なくかわいいと認めざるを得ない、ギズモの魅力をたっぷり語りたい…。そんな気持ちでいっぱいです。世代以外のみなさんも、当然のようにお父さんお母さんから教わっているとは思いますが、この機会にその魅力を復習していきましょう。 ■なんと言っても、“ぽてぽて”のフォルム つぶらな瞳に、大きく広がる耳が特徴的な生き物「モグワイ」。ギズモと名付けられ、主人公ビリー(ザック・ギャリガン)らペルツァー家の新たなペットとなった彼の、まるで赤ちゃんのようなフォルムは、当時世界中の観客を魅了し、大ヒットを記録しました。擬音で表すとすれば“ぽてぽて”。悪くいえばずんぐりむっくりですが、短い手脚とまんまるお腹がたまらなくかわいい! ビリーに抱きかかえられ、愛犬バーニーにぺろぺろ舐められているシーンなんて、幼児と大型犬のほんわか幸せ空間のようでたまりません。リュックサックから顔だけ覗かせているカットも、N.Y.の地下鉄にいるワンちゃんネコちゃんを眺めている気分でついつい頬が緩んでしまいます。 ■見た目は幼いけれど、実はお利口さん なぜか3Dメガネ(懐かしの、赤青のアナグリフ式!)を掛けて本を読んだり、『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(56)を観て恐怖の表情を浮かべながら寝落ちしちゃったり。その見た目通りの幼さが、私の心を掴んで離しません。 しかしその幼さの一方で人語を解し、単純ながらも会話を交わすことが出来る知性も持ち合わせています。「モグワイ」「ギズモ」などの単語に反応してオウム返しをしたり、「Bright Light! (光 コワイ)」「Neat. (イカス)」など自分の感情や考えを、英語で表現することも出来ちゃうお利口さん。バーニーのことを「Woof Woof (ワンワン)」と呼ぶのが本ッ当にかわいいんです! ビリーの恋人ケイト(フィービー・ケイツ)の、ファミリー映画としてはあまりにも重すぎる過去を知った際には、衝撃を受けると共に耳が垂れ下がり、憐みの心を見せるなど、感受性豊かで心優しい子であることも見受けられます。さらには唄を歌いながらピアノを弾いたり、バーニーの横で軽快にトランペットを吹き鳴らすなど音楽の才があることも明らか。賢いところもかわいすぎです。 ■身体は小さくても心は大きく。勇敢さに胸打たれる! モグワイの特徴の一つが、水をかけられると増殖してしまうこと。ギズモから増殖した悪ガキなモグワイたちは、ギズモをいじめ倒すなどの凶暴性を見せます。そんな悪ガキどもが真夜中すぎにエサを喰らって変態したのが、醜悪なモンスターの“グレムリン”なのです。 街中にあふれかえるグレムリンのリーダー、ストライプとの決戦の最中、窮地に陥ったビリーの元へ駆けつけるためギズモが乗り込んだのは…シボレーのコルベット(実際にはラジコンカーですが)!テレビで観た『スピード王』(50)に影響を受けたのか、ギズモの脳内には映画のセリフが流れだします。自慢気な顔のわりに運転はなかなか乱暴で、店内をしっちゃかめっちゃかにしたあげく、除雪スコップを土台に大ジャンプ!自分をいじめたストライプを前にしても、友人であるビリーのために単身乗り込む勇敢さたるや…。 身体は小さくても心は大きく。ただのもふもふかわいいマスコットで終わらないところが、ギズモがいまでも愛される理由の一つでしょう。 ■ギズモのフィギュアをドドンと紹介! 続編『グレムリン2 -新・種・誕・生-』(90)では、アカデミー賞を計7回受賞した特殊メイク界の巨匠、リック・ベイカーの参加や、予算が増額(1作目の約3倍!)されたこともあって、ギズモのパペットの造形はより洗練され、安定したものとなっていました。 シーンごとの造形物によって顔がコロコロ変わってしまう1作目のギズモも愛おしいのですが、一般的に認知され、商品化されているギズモ像はほとんどが2作目のものとなっています。これまで数多くのメーカーがギズモのアイテムを展開してきましたが、1作目への愛ゆえに個人的にはなんだかちょっと違うな、となるものもあります。もちろん、どれもかわいいことには変わりないので、お好みのものを写真を見ながら選ぶのも一興でしょう! ■トリックオアトリートスタジオ 本商品の造型を担当したのはなんと、『ヘルボーイ』(04)や『サイレントヒル』(06)などにも参加した特殊効果アーティストのラス・ルキチ。1作目のギズモのフォームを基にデザインされたパペット・プロップは、オリジナルのサイズ感やディテールを完全に落とし込み、実際のプロップに限りなく近いクオリティに! 『グレムリン2 -新・種・誕・生-』版ギズモもリリースされていますが、こうして比べてみるとやはり2作目のギズモはややスリム体型なんですよね。私はカットによってちょっとブサイクになっちゃう1作目の方が好きだったり。 同じくパペット・レプリカシリーズからは、変態する前のモグワイ時のストライプや… モホークやジョージ、ダフィーにレニーといったほかの悪ガキモグワイたちも、全員お家にお迎えしたいかわいさです!ギズモがいじめられないように守ってあげなくちゃ。 ■メディコム・トイ 私が知る限り、1作目ギズモのかわいさをもっとも引きだすことが出来ていると思うのは、メディコム・トイの「ヴァイナルコレクティブルドールズ」通称"VCD"シリーズの本アイテムです。首や両肩、両足が可動するので、ポスターを意識した可愛いポージングも可能に! きゅるきゅるお眼々にはドールアイを、もふもふの体毛にはファー生地を使用しているので、まるで映画からそのまま飛び出してきたかのような再現度を誇ります。後頭部にはレバーがあり、これを動かすことで眼球が左右に可動します。水をかけられたギズモの背中から飛び出す、モグワイの第一形態とでも呼ぶべき毛玉が3個付属するほか、ギズモサイズの3Dメガネまでうれしいオプションパーツ付き! 『グレムリン2 -新・種・誕・生-』からは『ランボー/怒りの脱出』(85)のジョン・ランボーに憧れて赤いバンダナを頭に巻き、クリップや輪ゴム、鉛筆で作った即席の弓矢を持ったコンバットver.も!これは超可愛いですね。 ■ネカ もちろん、我らがネカも負けちゃあ御座いやせん。ここまで紹介してきたものはもふもふしたものばかりでしたが、ネカの強みはやっぱりアクションフィギュア。決定版とも言えるほどにさまざまなオプションパーツを網羅する「アルティメット」シリーズにギズモもラインナップ!サンタ帽にキャンディケイン、トランペットのクリスマスセットに加え、即席弓矢とロープのコンバットセットも。差し替えフェイスパーツには赤いバンダナを巻き決戦に臨むキリッとした顔に、口角の下がったしょんぼり顔も付属。1、2作目それぞれのギズモをこれ一つで再現出来てしまうスグレモノです! マニアックなネカが、ただ完成度の高いギズモを出しただけで満足する訳もなく。こちらは『グレムリン2 -新・種・誕・生-』公開当時のトレーディングカードをイメージしたブリスターパッケージのアクションフィギュア。 ギズモとモホークら悪童モグワイ軍団がラインナップされているのですが… 鼻にピアスをしたこの子について、ご存知の方はいらっしゃいますでしょうか?実はこの子、2021年に公開された「マウンテン・デュー ゼロ・シュガー」の海外CMに登場したモグワイの「パンク」なのです!マニアックすぎる…。ザック。ギャリガンがビリーを再演した、激アツなこのCMにはビリーの娘が登場し、その肩に乗っていたのがこのパンク。恐らくギズモと同じく友好的な個体なのでしょう。娘ちゃんともシンクロした動きを見せてくれます! ネカのマニアック魂はこれだけに留まらず…なんと実際には映画に登場しなかったモグワイ6種をリリースするという、とんでもない強攻に出たのでした。名前はブラウニー、ドゥーダー、ペニー、ゲイリー、パッチーズ、ゾーイ。リック・ベイカーによってデザインされたこの子たちのパペットを、20年以上の歳月をかけて収集し、そのデザインのままに造型するという執念!さすがネカ!ほかのメーカーにできないことを平然とやってのけるッ、そこにシビれる!あこがれるゥ! ここで新商品をご紹介。今年6月8日に公開40周年を迎えた本作を祝うように、ネカからは「グレムリンの進化」と銘打ち、ギズモとストライプ(モグワイの姿)、ストライプ(グレムリンの姿)の3体セットをアニバーサリーボックス仕様でリリース!発売予定は2025年1月です。 オプションパーツにギズモのしょんぼりフェイスが付属するほか、ストライプ・グレムリン用にスケートボードやチェーンソー、丸鋸の刃など劇中に登場する印象的なアクセサリーをピックアップ。ギズモ派もストライプ派もにっこり満足、初心者の方でも遊びやすいオススメアイテムです! なんだかんだモグワイの姿をしたストライプがアクションフィギュア化するのは珍しいので、ファンならずとも押さえておきたい逸品です。 ■年末年始に、ぜひ『グレムリン』を! さて、いかがだったでしょうか。ギズモの魅力を再確認出来たよ!って方はそのまま映画も観直してみると新たな発見があるかもしれません。一瞬のカットにさえ、身もだえするほどのかわいさが詰まっています。公開から40年経ったいまでも新商品が頻発するなんて本当にありがたいことです。気になるアイテムがあれば是非是非チェックしてみてくださいね。それでは今回はここまで。皆さまよいお年を! 文/サムゲタン市川(豆魚雷)